天国はまだ遠く



本当にハマってしまい、またまた瀬尾まいこさんの本を読んじゃいました。


保険会社の営業として働く23歳の千鶴は、
仕事でのノルマが達成できず、人間関係にも疲れ、
自殺をしようと決意し、日本海に面した、北の町へ向かう。
降り立った北の町は、イメージしていた自殺の舞台とは程遠く、
千鶴はそこからタクシーでさらに北に向かい、ある集落にたどり着く。
一夜の宿を求め、ひょんなことから、その集落にただ一軒の
廃業同然の民宿に一泊1,000円で泊まることに・・・。
着いた夜、睡眠薬を飲んで早速自殺を図るのだが、
丸一日眠り続けた挙句、とても清々しく目覚めてしまう・・・。
自殺を諦めた千鶴は、民宿の主、田村さんの大雑把な
優しさに癒されていく。


都会では体験できないこと(船で釣りに出て朝日を見たり、
にわとり小屋の掃除をしたり、道の真ん中に寝転がりながら、
満点の星をながめたり・・・。)を田村さんから教えてもらい、
大自然の中で大らかな田舎の人々とふれあい、
気付けば、20日余りもその場所で過ごすことになる。
ついつい居心地がよくて、その場所にずっといたいという気持が
起こったりもするが、結局、そこは自分の居場所ではないということに
気付き、戻るべき場所へ戻っていく・・・。


瀬尾さんの本には、大らかで優しい男子が登場します。
今回は田村さん。
いいなぁ、こういう人。マイペースかと思いきや、
すごく思いやりがあって、一緒にいて、とても居心地がいい・・・。
千鶴が田村さんの民宿にいついてしまった気持もとてもわかります。
弱ってるときって、こういうさりげない優しさが身に沁みるもんです。
心が疲れている人には、癒し効果てきめんな本だと思います。
千鶴ほど深刻じゃないけど、私も日々、煩わしいことや、
ムカムカすることにぶつかかると心の底から、
「あぁ、逃げたい!!」って思うこともしばしば・・・。
そういうときに読んだら、何か心が落ち着くような気がします。


印象に残ったのが、千鶴が日課の散歩の途中に
挨拶をする農家のおばあさん。
ある日、大量のみかんを突然手渡してくれます。
そういう親切を体験したことのない千鶴はとてもびっくりしたと
同時に、感動し、田村さんちで飼ってるにわとり小屋の
掃除を手伝い(実は、ニワトリが大のニガテ)、
1匹絞めてもらい、その肉をお礼に持参します。
ですが、すげなく「いらない」と断られてしまいます。
うちの田舎方でも、こういうやりとりって多く、
実家の近所の漁師さんや農家のおばさんを思い出してしまいました。


この本、ボリュームも少なく、さらっとした文章なので、
かなりさくさく読めてしまいます。
私は、1時間半ほどで読みきってしまいました。
瀬尾さんの他の作品同様、読んだあとは温かい気持に
満たされます。
本当に、いろんなことに疲れてる人にオススメです!!