最近、読みたい本がなかなか見つからず、
近所の貸本屋さんで面白そうな本を探しまくってる日々・・・。
角田光代さんは、”空中庭園”を読んでから好きになり、
”八日目の蝉”、”対岸の彼女”等々・・・けっこう読んでます。
今回、なんとなく表紙の絵に惹かれ借りてみました。
谷島酒店の家族とそれを取り巻く事柄の物語。
谷島酒店四姉妹の末っ子、里々子の視点で家族のさまざまな
出来事が描かれています。
登場人物は、父・母と、四姉妹。
しっかり者で面倒見のいい長女、有子。
彼女は高校の頃、駆け落ちして戻って来た過去がある。
その時の男とは別れ、その後、別の人と結婚し、幸せに暮らしている。
実家には、ちょくちょく遊びに帰ってくる。
次女の寿子は無口でおとなしいのだが、
周囲の人間を苛立たてしまうところがあり、学校では孤立、
石になりたいと願う様な暗い毎日を送っていた。
大学卒業して今はアルバイトをしている。
大学四年生の素子はファッションにお金をかけて行動的。
今度谷島酒店の側にopenする大型ショッピングセンターに対抗すべく、
実家の酒屋をエノテカのようなワインショップにしたいと願い、
ソムリエスクールに通うようになる。
末っ子の里々子、受験を控えた微妙なお年頃。
まだ恋愛未体験。
・・・ある日、姉の寿子が書いた小説が文学賞を受賞してしまう。
その小説とは、小説というより、家族のメンバーの過去や姿を
ほぼありのままに書いた内容だった。
この出来事を境に、家族の歯車が微妙に狂い始めていく・・・。
どこにでもある(うちの近所にもある!!)、普通の酒屋さんを舞台に、
次女の作家デビューを機に、家族が抱える問題が露呈し、
家族の関係が微妙に食い違いを見せていく様を、まるで家族のアルバムのように、
ていねいに、かつ、穏やかに描いています。
”空中庭園”も、家族がテーマでしたが、あそこまで鋭い視点では
なく、もうちょっとやわらかいイメージになってます。
とても読みやすく、スルスル読めました。
家族って、とても大切なんだけど、時としてうざい存在になったりしますよね。
そういう、あえて普段言葉には出さないような家族に対する思いが、
丁寧に描かれていて、読んでて、自分の家族がちょっと恋しくなりました。
角田さんは、この家族を、「サザエさん一家」と例えているようで、
なるほど、そういわれてみれば、サザエさん一家のようなほのぼのとした、
暖かい家族という感じもします。
読後感は、なんとなくほんわかした気持になれる1冊です。