最近、たまに思い出すドラマのワンシーンがありました。

昔NHKで放送されたドラマで、笠智衆さん、倍賞美津子さん、

杉浦直樹さんがみんなで、ピンキーとキラーズの『恋の季節』を唄ってるシーンです。

ドラマのタイトルを覚えておらず、そのシーンだけ覚えていて、

ふとしたときに思い出しては気になっていました。
…たまたま先日手にしたフリーマガジンに今週のテレビ番組表が載っていて、

見るともなく見ていると、日曜日の夜、アーカイブのドラマスペシャルに目がいきました。

出演者が、笠智衆さん、倍賞美津子さん、杉浦直樹さん、杉村春子さん、樹木希林さん…

これって、最近私が気になってたドラマ?と思いつつ、

もしそうなら、なんか運命だわって思い、見ることにしました。ビンゴでした。

原作は山田太一さん・・・。これにもびっくり。



物語をざっくり説明しますと・・・

一人息子が末期ガンで余命いくばくもないことを知った老人(笠智衆)は、

隠居生活を送っていた蓼科より上京。

そこで二十年前に別れた妻(杉村春子)と図らずも再会する。

死にゆく我が子に何を伝えればいいのか、どう尽くせばいいのか・・・。

反発しあいながらも、最後は心を通わせていく元夫婦。

離婚した夫婦と、離婚寸前だった息子夫婦(杉浦直樹・倍賞美津子)、

その娘、杉村の小料理屋の従業員(樹木希林)、

ばらばらの家族と他人が一堂に会し心を一つにするひととき・・・。


死にゆく息子の病床での「蓼科、行きたいなぁ~。」の言葉に、

真面目で実直な父親は、病院を抜け出して蓼科へ行くことを提案します。

堅物だと思ってた父の意外な言葉・・・父と息子は、タクシーで(!!)蓼科へ

向かいます。不器用な父親が、息子に最後にしてあげる精一杯の愛情表現。

母親は、父親の軽率さをののしり、蓼科へ息子を迎えに行きますが、

生き生きとしている息子を目にして、一緒にとどまることになります。

妻子もまじえ、蓼科で過ごす、最後のひととき・・・。

皆で歌った「恋の季節」がとても心を打ちます。

自然と涙がこぼれてきました。

ずっと、思い出してたドラマのワンシーン・・・。


ドラマの内容もさることながら、キャストもすごいです。

今は亡き”ステキなおじいちゃん”、笠智衆さん、名女優、杉村春子さん

笠さんと並ぶステキなおじいちゃんの加藤嘉さん・・・。

みなさん、故人なだけに、今となってはすごいキャスティングだと思われます。

笠さん、杉村さんといえば、小津安二郎映画でもご活躍されたお二人・・・。

そして、息子役の杉浦直樹さん、その妻に倍賞美津子さん、

杉村さん経営の小料理屋の従業員に樹木希林さん・・・。

キャスティングだけでも名作ですよね・・・。


年老いてから子供に先立たれる辛さ・・・。

親より先に逝ってしまう子供の辛さ・・・。

医療が進歩してても、こればかりはどうすることもできないものです。

その切なさがにじみ出る、ある意味考えさせられるドラマでした。

アーカイブのテーマも、”老いを生きる”というものでした。

私くらいの年になると、親のことなど、ちょっと現実的な問題でもあります。


・・・と、いろいろ考えさせられつつ、笠智衆さんの生成りの麻のスーツ姿に

シビれ、杉村春子さんの着物の粋な着こなしに魅せられ、

ドラマ当時(昭和62年)に流行った肩パッドが入った流行服を着る

倍賞美津子さんの美しさにうっとりしてしまいました。


DVDは出てないのかな?こういう名作は、DVDなどで

たくさんの人に見てもらうべきだと思います・・・。


NHKアーカイブス http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2007/h070610.html