父の詫び状


「好きな作家は?」と聞かれたら、迷わず「向田邦子さん」と答えます。母に薦められて初めて『父の詫び状』を読んだのが中学生の時。なにかにつけてすぐに怒ってばかりだけど、実は心優しいお父様や、そのお父様にだまって従いつつ、いざというときは一番頼りになるお母様…ちょっぴりうちの両親と通じるところがあり、親近感を持って読んだのを覚えてます。

それから、何年かおきに思い出しては本棚から引っ張りだして読んでます。  今回で何度目だろう…?

本の内容は、向田さんの子供の頃の思い出や、日々の生活で感じたことのエッセイ。目線が庶民的で、親しみを感じます。

私は、独特の表現方法も好きなのですが、たとえば、トイレは『ご不浄』、重いは『持ち重り』等々。あまり普通では使わない表現を使ってます。      

向田さんのエッセイは、戦前・戦中の重い空気が漂っていたであろう時代でも、明るく楽しく生きた庶民の生活が伺えます。お父さんが絶対的にゆるぎない大きな存在だった、古きよき日本の家族を垣間見れるのです。そんな環境では、親が子供を殺めてしまったり、子供が親を殺めてしまったりという、物騒な事件は起こらないんだろうなって思います。


今後、向田さんの作品についてはたびたびご紹介させていただくと思いますので、今日はこれくらいにしておきます。