1985年のJAL123便墜落事故が起きた時、私は中学2年生でした。NHKのニュース速報での第一報も記憶にあります。写真週刊誌などでの悲惨な光景も脳裏に焼き付いています。テレビや新聞、雑誌を通じての遠い世界の出来事のはずなのに、ものすごい衝撃を受けました。
今回読んだクライマーズ・ハイは、そのJAL123便の事故をベースに、墜落場所となった御巣鷹山のある群馬県の地元紙の記者、悠木の葛藤、組織の相剋、報道の意義などを描いています。
著者は事故当時、上毛新聞という、群馬県の新聞社の記者だったそうです。それだけに、事故の裏の裏まで知り尽くしてたのではないかと思います。そのせいか、生々しい描写はないのに、凄惨な事故だったことがとても伝わります。事故の報道を通じて会社のダークな部分や、友人の突然の植物状態、家族との葛藤など、様々な背景がひもづけられて、最後まで一気に読んでしまいます。解説にも書いてありましたが、まさに著者渾身の傑作といった感じです。
最後の、衝立岩に登る場面は、山登りのことに疎い私も手に汗握る描写になっています。
NHKでドラマ化され、DVDも出ているので、是非是非そちらも見てみたいと思います。
