メディカルアロマ実践塾 double drops
菊地 裕子 です。
オランダの医療現場で行われているクリニカルアロマケア
のセミナーレポートシリーズです。
アロマケア1では
嗅覚に働きかける認知症のケアをレポートしました。
精神的なもの（憂鬱・不安・落ち着きのなさ・不眠など）に働きかけるには
香りを感じてもらうケアが有効ですね。
お好きな香りや、香りの成分を利用した精油選びもいいです。
今日はその他のケアの話をしますね。
アロマに限らず、高齢者により快適に過ごしてもらうためのケアです。
お家で介護なさっている方にも参考になるかと思います。
秋冬は特に空気が乾燥しがちです。
外も部屋の中も湿度が低い。
そのうえ、高齢者は体内の水分量が低めです。
喉の渇きを感じにくくなっているため、積極的に水分を摂らないことも
体の乾燥を促してしまいます。
鼻や喉の粘膜が乾燥していると
香りも感じにくいし、
痰を出したり、ウイルスを押し出したりという免疫の働きも弱まります。
もちろん、お通じなどで老廃物を体の外に出すためにも水分は大事。
だから、お部屋の加湿や水分補給に気を配ってあげるのも大切ですね。
もうひとつ
痛みへのアプローチがあると助かります。
体の衰え、病気の後遺症などで
体のあちこちに痛みを感じる高齢者は少なくないと思います。
実は痛み自体は病気ではなくて、どこか体の機能に問題があって
そこで起こっている組織の壊れが、痛みとして感じられているんですね。
麻酔を打つと痛みが感じられないけど、病気そのものはなくならないでしょ？
痛みの原因治療はお医者様にお任せするとしても
痛みを和らげることくらいは、してあげられたらいいですよね？
痛みには
外部刺激による痛み、炎症性の痛み、神経の痛み、感情的な痛み
など様々な種類が見られます。
痛みを緩和するための成分を含む精油はいろいろあります。
痛みの種類に応じて塗布するためのブレンドが作れると便利です。
（精油の成分・種類は専門的になるので、ここでは割愛しますね。）
で、マデレインさんがアロマケア以外にオススメしているのが炭酸浴です！
文字通り、炭酸でシュワシュワしたお湯に入ることです。
健康なら全身浴でも問題はないのですが、
ベッドで過ごすことがほとんどの方や病室では
手浴や足浴を行います。
マデレインさんは重曹と硫酸マグネシウムで炭酸浴用のバスを作っていました。
とてもたくさんの炭酸を作ることができるのですが
日本では入手が難しそうです。
（見つかったら、追記しますね♪）
なので
日本では重曹とクエン酸が入手しやすいかと思います。
炭酸がシュワシュワしているお湯に浸ることによって
・肌へのチクチクする刺激
・末梢血管を拡張して血流をあげ、酸素をたくさん運ぶ
という効果があります。
血流が良くなると体に栄養分と酸素を運ぶから
傷の治りにもいいし、痛みも和らぎます。
温かい血液を体にめぐらせることによって
全身もポカポカして気持ちいいですよね！
足湯はなさったことある方も多いんじゃないですか？
お湯に炭酸が含まれることによって、効果が上がります。
ただし、血流を促せば心臓にも影響があります。
たくさんの血液がめぐってしまうからね。
ケアするご本人の体調をよく観察するとともに
健康ではないならなおさら、
主治医の先生と相談してから行うことを忘れないでくださいね。
セルフケアに危険は要りませんよ！
今日は介護における、足浴・手浴のおはなしでした
シリーズの過去記事はこちら
オランダ 医療現場で行うアロマケア