著者は、現在は一橋大学大学院の教授ですが、ちょっと前まではシティグループ証券の日本株ストラテジストでした。

ストラテジストというのは、要は株が上がるのか下がるのかを予測し、論理的に説明する職業です。

予測すると言っても、予言者ではないので、あくまでも過去の歴史を振り返り、様々法則性や規則性を見つけ出し、それを基に将来を予想するのです。

だから、ストラテジストは歴史を非常によく研究しており、この本は藤田氏にとってのバブル研究の集大成なのだろう。

内容は、歴史について非常に勉強になる。

また、不安要因として、アメリカの双子の赤字の拡大や中米貿易戦争、地政学リスクなどを挙げているのも、反対する人はいないだろう。

だから、株価はどうなるのかというのは、予測は難しい。

彼は2020年代に向けての日本株相場の展望として、「以上を総合すると、AI革命を中心とするミクロ要因の主導によって、2020年代を見据えて、世界の株式相場の上昇は続きそうである。」と結論付けています。

不安要因として上記の要因等を挙げてはいるものの、今のところ当たったか外れたかと判定すれば外れです。

証券界では、相場は勉強すればするほど当たらないという人もいますが、この本の結論箇所を読んでその言葉を思い出しました。

さて、来年の今頃はどうなっているでしょうか?

もしかしたら、藤田さんが正しかったという状況になっているかも知れません。