著者の三戸氏は、日本創生投資という投資ファンドの運営者であり、投資先は後継者に困っている中小企業や経営難に陥っている企業で、ファンドの規模は30億円とのことです。

彼は、元々はソフトバンク・インベストメントでベンチャー・キャピタリストをやり、2011年に兵庫県議会議員になり、2014年の加古川市長選挙で落選し、現在の投資ファンドを設立したという非常にユニークな経歴を持つ人物です。

まず富裕層になるためには、労働者ではなく資本家になることの重要性を説きます。

フォーブスの長者番付リストを見せ、殆どが企業の創業者であり、大株主である。例として、ソフトバンクの孫正義氏を挙げ、年間報酬は1億3千万円だが、配当収入が年間95億円あるという。

だから、会社のオーナーになるべきであり、会社を買って資本家になろうという。

ここまで読むと、相当ぶっ飛んだ主張なのですが、実はこの本が10万部を超えるベストセラーになっているのは、その後の部分です。

まったくのゼロから事業を立ち上げ成功させる起業家をゼロイチ起業家と呼び、彼はベンチャー・キャピタル時代の経験から、ゼロイチ起業家は特別な存在であり、めったにいないといいます。

むしろ、既存の中小企業の経営者になり、大手企業の様々な仕組みを導入することで、経営改革することで、業績が大きく伸ばせる企業が多いのではないかという。

彼は、大企業の正社員は全員幹部社員、と持ち上げ、中小企業の継ぎ手にならないかとささやく。

その主張や具体的な経営改善のメニューなど、納得できる内容も多く、中小企業の経営者としても、非常に参考になります。

現実には、いくらいい会社でも会社を買ったり、経営を引き継ぐことはそれほど簡単ではないが、今後10年で100万社を超える廃業が予想される状況で、起業よりも事業を引き継ぐ方が成功確率は高いという主張は正しいと思う。

中小企業のオーナーや社長になっても、フォーブスの長者番付に載るのは、難しいと思いますが。