8月29日のNHKの歴史秘話ヒストリアで、『武田信玄「甲陽軍鑑」が語る真実』を見て、甲陽軍鑑が読みたくなり、アマゾンで見つけたこの中古本を買いました。
NHKの番組は、明治時代に偽書(後世に書かれたフィクション)として重視されなかった同書が、山梨県の一国文学者の言葉の変化の研究から、発行年が室町後期であることが特定されるまでの逸話が紹介されます。
そして、近年発見された末書から、武田信玄が国内統一を明確に目指していたことや、その本拠地として「ほしのや」(今の座間辺り)を選定していたことも分かりました。
驚いたのは、この本が武田二十四将の一人、高坂弾正が口述筆記で書かれた書物であることです。
高坂は、百姓出身で読み書きが出来なかったので
武田信玄を始めいろんな人の話を聞いて覚えたそうです。
甲陽軍鑑は一文が長いことで有名ですが、コピペが出来ないこの時代に、これだけの文章をスラスラ口述するだけでも、すごい頭の良い人だったことが分かります。
番組で最も感動したのは、信玄が「同じような部下ばかり揃えてはならない」と弾正達に言い、どうしてかと訊ねると、「庭には四種類の木を植えなければならない。春には桜、夏には柳、秋には紅葉、冬には松と一年中楽しめる」と言い、多様な知識や経験、個性を持つ人がいることの大切さを説くシーンです。
昨今、多様性の重要さが喧伝されていますが、信玄は正に多様性の先駆者だと思います。
さてこの本ですが、ビジネスマンを対象とした本なので、甲陽軍鑑の中でも、リーダーの心得、部下統率、人材の活用と育成、組織作りなどに関する代表的なセンテンスを紹介しています。
徳川家康が、多くの武田信玄の部下達を江戸幕府に招き入れたことは有名な話ですが、彼もまた多様性の大切さに気が付いていた人なのでしょう。
