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何か不祥事があると同族会社の欠点をことさら大きく報道されることが多いが、この本は、同族会社を多様な視座で分析した本である。

さすが日経新聞の記者が書いた本だけあり、23社の同族会社の事業承継のいざこざや親子の葛藤、兄弟喧嘩、後継者の経営革新の格闘などが生々しく描かれており、面白さは群を抜いている。

当社のネットショップの一番の売れ筋商品は、アトピスマイルというハンドクリームであり、そのメーカーである勇心酒造が、紹介されています。

酒造メーカーが開発したハンドクリームくらいの認識でしたが、毎年1億円を30年間、先祖伝来の土地も全て売り、私財を10億円もつぎ込んで開発された商品だと知り、益々この商品のファンになりました。

その他、伊那食品やYKK、星野リゾートやNHKのマチ工場のおんなのモデルになった会社、ジャパネットたかた、破綻した林原など、聞けば知ってる会社が紹介されている。

興味深いのは、分析の章にもあり、婿養子が後継者の方が実子の後継者より、業績が良いという分析結果です。

国営企業が民営化された企業や旧財閥企業が戦後の財閥解体で株主から創業者一族が消えた企業、更には元々同族企業だったものが長年の持分の減少で同族企業でなくなった企業以外は、基本的に同族企業であろう。

この本では、創業者の親族が株主上位10位以内に入っている又は経営に入っているなどの条件を満たした会社を同族企業と定義しており、この定義では、上場企業の53%が同族企業になるとのこと。

中小企業の経営者にとっても、非常に示唆に富む一冊だと思います。