事業承継関係のセミナーの講師を頼まれ、今年の事業承継絡みの税制改正内容をチェックしていたら、雇用継続要件の改正に目がとまりました。

 

改正内容は、雇用継続要件の8割の計算において、小数点1位が切り上げから切り下げに改正されました。これだけ聞いても、よく分かりませんが、計算してみるとよく理解できます。

 

つまり、従業員4人の会社だと、以前は4×0.8=3.2で、切り上げだと4人となり、1人でも従業員が減ってしまうと、要件を満たさないことになり、猶予された税金を払わなければならなかった訳ですが、今年の改正で切り下げになったので、3人はセーフということになりました。

 

同様に、3人の場合は、3×0.8=2.4人、切り上げで3人、切り下げで2人と、1名減まではセーフ。

 

そもそも、この事業承継税制(納税猶予制度)は、使い勝手がよくないと利用者が少なく、25年度の税制改正でようやく利用者が増えてきたという感じですが、それでも平成20年10月の制度発足から平成28年9月末の丸9年間で、認定件数が相続985件、贈与627件と、毎年10万社以上の会社が廃業する規模感からすると、あまり利用されているとは言い難い状況です。

 

上記の改正は、従業員5人未満の会社に向けての改正ですが、その規模で納税猶予が必要となるような評価額が高い会社がどれほどあるか疑問ではあります。

 

原則的評価の計算式や、会社規模の判定基準の改正など、事業承継のコンサルには、影響度の大きな改正もありました。