マルタンマルジェラというブランドがあります
エルメスのデザイナーに就任したこともあり世界的なデザイナーであるにも関わらず、優雅さや豪華さを美徳としないそのコレクションに日本でも高い評価を得ていて、服好きの人の終着点とも言われているほどです。
あまりブランドに興味のない僕も、今や洋服を買う基準のキーワードにいつも「マルジェラ」があり、ワードローブだけでなく自分の価値観までに影響をあたえられています。デザイン自体はとてもベーシックなものが多く、一見どこにでもあるもののようにみえます、しかしその一つ一つの物にはきちんとした意味と理由が込められていてブランドのコンセプトが感じられるのです(自分なりに)。けして安いものではないしポンポン買えるものでもなく、探してみれば似たようなものが安価で入るだろうし、それでなければという程でもないんですけど結局はマルジェラに、というのが流れになってしまいます。
それなりの値段の物はそれなりというように良いものにはそれだけの手間と素材とストーリーがあり、それだけの金額を払う背景があるように思います。
結局何が言いたいかというと、『良いものはいい!!』と言うことです。
合理的に考えて生きていく上で髪型や洋服にこだわりは不必要で、快適で手入れしやすくて、できるだけ安価であれば、とお偉い誰かが言っていたのを何かの本で読んだことがあります。
しかし一度きりの人生とおもえばこそ、良い服を着ることでその日の気分があがったり、好きなブランドを身にまとうことで自分に自信が持てたり、ヘアスタイルを変えて好きな人に褒められたり…無駄の中にも意味を見出すのが人生であり個性なんだなとも感じます、長い人生も1日1日の積み重ねですから。
そうは言っても生活していく中で欲しい物やしたいことを我慢しなくてはならない時があるのも確かです(今の自分も)。
僕自身は他の物を我慢してでも1つだけ良いものが欲しいタイプです。それだけで明日も頑張ろうという気持ちになるし、人にやさしくなれる気がします(笑)
そして洋服にしても髪型にしても、明日の自分を持ち上げる手段でしかなくそれがすべてではないし先の自分にまで影響を与えるかといったらよくわからないのが本心です。
けれど誰しも浮き沈みするなかで毎日を楽しくすごせる手段の一つだとすればお金にかえられないものが得られると信じています。自分も仕事に対して責任を感じて本気でやろうということも学べたと思います。
マルジェラも先日ディーゼルという会社に吸収されて、利益主義的なブランドに成り下がるのかと話題になっていました、と同時にマルジェラ本人は実質的なクリエイションからは身をひいたとの発表もありました。デザイナーはお金の管理が仕事ではなくクリエイションが仕事です、自分の大事にしている事を損得ぬきにつらぬけるところがすごいところだなと感じいろいろ考えさせられました。
さて、皆さんにも自分を高めてくれたり、影響を受ける『何か』があると思います。
その『何か』にお店がなれるかどうかは……自分次第!!! ダナ