留学のはなし その1

※2003年-2004年、南フランス・モンペリエに留学しておりました。
 この文章は、その昔・・・まだ将来よもやフランス人と結婚するなど全く思いもしない頃に書いた留学の話をこちらのブログにほぼそのまま転記したものです。




大好きだったクラス


 本講座では、授業は基本的に会話・文法を2人の先生から習い、あとはオプションを2つ取る。
少々時間割が変で、1時間半で1コマのはずが、3時間1人の先生でぶっ通しということが多々あった。
さすがに集中力が切れて頭がおかしくなりそうになる。

 1クラスの人数は20人前後らしいが、クラス変更などの移動でばらつきがあるようだ。
私も始めに入れられたクラスの先生が合わなそうだったので変更したっけ。



 変更後は、変えた甲斐あって楽しかった。
夏季講座で少しはましになったのか、入門から初級に上がった私は、もちろん初級でも下の方である。
授業内容が把握できない事もしばしば。

 それでも、先生はひとりひとりが話す機会をストレスを感じさせないような方法で作ってくれたり、
指すときもレベルに合ったものを出題してくれた。
文法も分かるまで説明してくれて、とても助かった。
今思うと、よく付き合ってくれたなあ。

 なにより、クラスメイトにはとても恵まれた。

日本人は6人、とクラスの3分の1以上を占めていたが(かなり多い方だったようだ)
皆どんぐりの背比べで(え、いっしょにするなって?ごめんね)他の国のできる人たちにはかなりフォローしてもらっていた(初級なのにレベルが高かった)。

 宿題の内容を教えてもらったり、ノートを見せてくれたり、分からなくてとんちんかんな質問や答えをしても嫌な顔一つせずによく耐えてくれたと思う。

ほんとに…おせわになりました。

 オプションに取ったのは、「la langue et la culture言葉と文化」と「l’histoire de l’art美術史」である。

 言葉と文化の方は、フランス語の成り立ちや由来、フランスの年中行事や祝日などについて勉強した。

ひたすら黒板を写す。

宿題は、たいてい「教科書の図を見て様子を説明せよ」というものだった。
地味なだけに忘れがちな宿題である。
授業は簡単な言葉で説明してくれたので分かりやすく、ストレスはなかった。

 一方、美術史の方は大変だった。
内容は18世紀以降のフランス美術史だったが、意味がさっぱりわからない→眠くなる、という典型的(?)泥沼パターンに陥っていた。

 私は大学で西洋美術史をやったが、主な関心は中世で、近代フランス美術史はほとんどやっていない。
画家の名前と作風を知ってる程度であった。


 余談だが、西洋中世美術史は日本ではマイナーな分野である。
やはりダントツに人気があるのはルネッサンスまたは近代で、ロマネスク・ゴシックは敬遠されがちだ。
「中世」の定義も一般的にあいまいに扱われている。
とても残念なことだと思う。

 フランスは、中世の街がそのまま残るところも少なくない。

中世美術に近い国だ。おそらく、一般的にも関心は高いことだろう…
ああ、そうであってほしかった。

 これまた残念な事に、フランスでも人気が高いのは近代であった。

 中世で美術・文化の中心であったものの、その後イタリア・ルネッサンスにお株を奪われたせいなのか。
フランス精神の本髄は革命期・革命後だ!と思っているからなのか。

とにかく、中世美術史は、フランスでも

「それはスペシャルだね(→特別って意味なのか変わってるっていいたいのか…)」
と言われた。ショックだった。

ということで、授業内容がさっぱりわからなかった私とクラスメイトのNちゃんは、テスト前大変焦った。
ノート真っ白、わたし真っ青。これじゃ、何が出ても書けない!

 こんな時、持つべきものは友である。
同じオプションを取っていた頼れるクラスメイトにテスト対策を相談する。

 青い目の彼は、少しおどけて言った。
「勉強会をして、教え合えばいい」



…なんていい人なんだろう!
私は心の底から思った。

 だって、「勉強会」なんて、彼には何のメリットもない。
なぜなら彼は、美術史の授業で毎回先生に質問をし、ノートもきちんと取っていた。
 その上、文法のクラスでもテストは毎回ほぼ満点、あきらかに同じクラスにいることがおかしいくらいの仏語レベルであった。
つまり、「勉強会」は私達のためだ。

 そして、オプションで一緒のメンバー日本人3人は、スウェーデン人の彼と努力家のベトナム人(※のちに、日本に留学に来た)しっかりもののアメリカ人に2度に渡って「勉強会」という名の復習授業をしていただいたのであった。
おかげさまで無事にテストは終了。後期からは中級に上がる。

 残念なことに、前期のクラスメイトはほとんど半年で帰国してしまった。
持ち寄りFete(パーティー)やクリスマスのプレゼント交換、あたたかい思い出はたくさんある。

 仏語もしくは英語が充分に話せたら、彼らともっと仲良くなれたかもしれない。
ちょっと心残り。


 だけど、遠く離れた見知らぬ国に時間を共有した誰かがいて、少しだけ、その人がいる場所を身近に思える。
それだけでも、とても幸せなことだ。




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