この映画が好きだ。
決して評価が高くない作品だが、
何よりもこの映画には不安を煽る要素がどこにもない。
そこが観ていてたまらなく愉快に感じる。
いま、メディア&時代は不安ばかりを煽っている。
「年金がもらえなくなる」「就職ができない」「病気になる」
「若者の人口が減る」「格差は広がる」「世界の競争に負ける」・・・。
そんな情報ばかりが流布されている。
では、80年代はどうかというと、
「海外旅行へ行こう」「××ファッションを着よう」「円高だから高級品を買おう」
「モテたかったら外車に乗ろう」「グルメってお洒落」・・・。
景気回復を願いながら、こういう情報に背を向けていたら消費なんて良くなるわけがない。
自転車に乗って通勤し、健康のために歩いて、家飲みで節約し、
節電のために暖房を止めて室内でダウンを着る。
二言目には、「震災の影響で・・・」。
要するに、みんなで自分の首を絞めているだけの話。
業績のいい企業もたくさんあるし、儲かっているお店や経営者もたくさん知っている。
でも「景気が悪いから」を理由に、彼らにとっては
リストラや経営の効率化がはかりやすくなる点を見逃してはならない。
「景気が悪いから」=儲ける口実になっているのだ。
映画の話に戻るけど、この映画のタイトルを裏返せば「好景気へGO!」であって、
バブルをあざ笑うのではなく、
不景気だと自虐的になっている日本をあざ笑っているように思えてならない。
この映画の監督・馬場氏のメッセージに「この時代、もっとも自殺者が少なかった」とある。
有頂天で何が悪い。