1937年に創刊され、1971年に廃刊となった雑誌「LOOK」。
大判のサイズで、写真が大きく掲載された
いわゆるグラフ誌というヤツだ。
「ライフ」や「サタデイ・イブニングポスト」誌と似た印象の雑誌で、
いずれも70年代に揃って廃刊してしまった。
ピーク時には8百万部を売った雑誌である。
しかし、70年代の変革期を乗り切れなかったのだろうか。
廃刊まぎわの広告を見ると、フルサイズのシボレー車、キャンベルのスープなど、
全米マスの定番とも言える50年代から始まる「大量生産・大量消費」の権化のような
広告主がひしめいていた。
それでも、やがては黒人の大統領や女性の長官が誕生することや、
セックスの表現が自由化されること、また地球環境との共生など、
現在を予言したようなテーマも扱っていた。
さて、そんな雑誌だが、日本ではネットの登場で衰退の一途を辿っている。
アメリカではどうなんだろう。
「LOOK」は将来の変革をいろんな視点で予言していたが、
さすがにネットによる雑誌メディアの衰退までは想定を超えていたのだろう。
何しろマスメディアという文脈も中で生きた雑誌が
パーソナルメディアなんてものを
想像すらできるはずがなかったからだ。