コンバースのチャック・テーラー。
ほんの40年前までは、
日本で購入できるところなどかなり限られていた。
コンバースと言えば、アメ横。
それも「ミウラ&サンズ」。
たとえば、ある田舎の少年が小遣いを貯めて鈍行列車にゆられ、
数時間かけてアメ横を目指し、
夢に見たコンバースを手に入れる様子が思い浮かぶ。
価格は70年代当時で約6千円。国電(後のJR)の初乗りが30円、
タクシーの基本料金が280円の時代である。
写真のコンバースは、ビームスプラスの別注品。
革製アッパーやビブラムアウトソール、ポロンのインソールが奢ってある。
アッパーには吸湿素材のアウトラストも使っているそうだ。
値段は16,800~24,150円。
往年のシルエットを復活させているらしいが、それだけではダメなのだろうか。
ツーマッチなチャック・テーラーだが、モノがあふれている現代においては、
ここまで追加仕様を奢らなければ売れないのだろうか。
かつて、アメ横の入り組んだ店先で光り輝いていた細身でシンプルなコンバースが懐かしい。
そしてモノに対してイノセントだった日本人が懐かしい。
シンプリシティ・イズ・ベスト。単純な時代に帰ろう、日本人。