ASCOTのヴィンテージ・ライターは
マニアの間でけっこう高値で取り引きされているらしい。
程度のいいものは、実に美しい。
ミッドセンチュリーの製品でも、
モダンの文脈だけでなく、アールデコやアールヌーボー的な
作法を色濃く残していて素敵だ。
タバコを吸うわけではないが、そのデザインに惹かれてしまう。
また、商品名もいい。
左が「THE VOGUE」、真ん中が「THE HERITAGE」、右が「THE PAGODA」。
いずれもいまの時代に度々登場するキーワード。
「THE HERITAGE」は、タバコに使うというよりも、キッチンで使えそうな
実に洒落たデザインだ。掌に乗るサイズで、端正なフォルムがたまらない。
そして、この広告もいい。鮮烈な赤に、艶やかな女性が描かれている。
そう、この商品は女性喫煙者をターゲットにしているらしい。
イラストもいい。ドロシー・モネという女性イラストレーターらしいが、
自分は初めて名前を聞く。50年代のディズニー映画に出てくるアニメヒロインの
タッチに似てなくもないが、当時はこんなタッチはけっこう流行ったようだ。
タバコは吸わないが、ライターというのはあると何かと便利だ。
火が必要となる災害時など、ここぞという時にあるとないとでは
天と地の差が生じる。オイルでもガスでもいいから、
手持ちのエマジェンシーキットに入れておきたいものだ。