今夜、殺人容疑の逃亡者がついに逮捕された。
この報道を聞いて、米テレビシリーズ「The Fugitive/逃亡者」を思い出した。
デビッド・ジャンセン演じるリチャード・キンブル医師は
妻殺しの罪で死刑を宣告されたが、その後移送の途中で逃亡し、
ドラマのタイトル通り、逃亡者として全米を旅するのである。
「リチャード・キンブル、職業医師。 正しかるべき正義も時として、
盲しいることがある 。彼は身に覚えのない妻殺しの罪で
死刑を宣告され、 護送の途中、 列車事故に遭って辛くも脱走した。
孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に
耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を捜し求める。
彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら、
現在を、今夜を、そして明日を生きるために。」
という矢島正明の名ナレーションを空で言えた50代~60代の人は多い。
実にインパクトがあった番組で、最終回は銭湯が空になったそうだ。
デビッド・ジャンセンは当時の若者たちのファッション・イコンでもあり、
彼の着ていたマクレガー製のドリズラー・ジャケットは憧れのウエアだった。
TV番組の逃亡者は、無実の罪だった。それが、彼を逃亡に駆り立てた理由である。
現実の逃亡者は容疑者であり、まだ犯罪者として確定したわけではない。
2年間もの間この狭い日本を逃げ回り、顔を変えてまで
逮捕されることを回避してきた男の執念はなんだったのだろうか。
この事件に闇はあるのか、それとも単なる自己保身の逃亡者だったのか。
事実の全容が明らかになることを期待する。