今年の春に、Adidasスタンスミスの80年代版がリメイクされて発売された。
「スタンスミス」は世界でもっとも売れたベストセラー・スニーカーとしてギネスにも記録されている
不朽の名品である。しかし現行品の劣悪化は著しく、このモデルの持つ本来の価値を
Adidas自らが毀損してきた歴史がある。劣悪極まりない復刻品もこの流れを加速させた。
で、春にリメイクされたSTAN SMITH 80sはこれまでの劣悪極まりなかった製品の
汚名をわずかに改善したようだ。
ただし、写真でわかるように、革のアッパーの質感は仏製オリジナルに比べ表情に乏しく
コストをかけていないのが手に取るようにわかる。
シューレースの素材感もイマイチ。ラストも仏製オリジナルにかなり近づけたが、忠実とは言い難い。
「スタンスミス」の思い出としては、70年代当時姉がハワイに旅行した際、
無理をいって買ってきたもらった記憶がある。
対ドルレートが250円だったため、とても国内では買えないしろものだった。
「スタンスミス」は80年代製以前のものの方が、さらに魅力的だと思う。
「ハイレット」のという名称だった頃の実にシンプルで控えめなデザインは
20世紀の歴史的プロダクトに加えてもいいくらいだと思う。
Adidasは頻繁に往年の名品を復刻しているが、ほとんどはバッタもんという感じが否めない。
何とかしてほしいものだ。