レス・ポール。94歳で昨日、死去。長生きであった。
この人がいなかったら、R&Rは存在しなかったかもしれない。
しかし、皮肉にもR&Rの隆盛が彼のミュージシャンとしてのキャリアを終わらせた。
70年代に復活するが、エレクトリック・ギター開発の始祖的な人物としての評価が先行したものだ。
実際にギブソンのレス・ポールモデルを弾いているご本人の映像を見ると、
自分で製作したものだけに、ジャストフィットしていることがよくわかる。
ボディの大きさ、ネックの太さなど、レス・ポールの身体や手のひらに実によくフィットしている。
ギブソン社との契約は60年代初頭に切れてしまったようだが、
もっと長期に渡る契約で、売上げにおける一定のライセンス料が入る契約をしていれば、
この人は億万長者になっただろう。コピー商品を規制するデザイン意匠登録をワールドワイドで保持
していたら、これもまた膨大な利益をご本人にもたらしたであろう。
まぁ、ご本人はそんなことに興味など持っていなかったのかもしれない。
生前において、彼の名はすでに伝説となっていたわけで、
その意味ではライセンス収入では得られない永遠のオナー(名誉)を手にしたわけだ。
エレクトリック・ギター黄金時代の礎をつくった男の死は、
いまのポピュラーミュージックシーンを眺めてみると、
エレクトリック・ギターが主役となる音楽の終焉を
ある意味決定づける出来事なのかもしれない。