前回Oさんというオッサンの話をしたのだが、今回はその続きである。詳細は前回のブログを読んで頂きたい。
彼はとにかく怪しいエロサイトに片っ端から引っかかっていくスタンスだ。インターネットリテラシーもなければ知識もないので厄介なのだ。DMMとかには何故か辿り着くことはない。もしかしたらもう通り過ぎた道なのかもしれない。
毎回必ず30分くらいは止めるのだが、彼は何故か止まらない。止められないのだ。もし仮に「何故止めないんだ!」と憤る方がいたなら是非代わってほしい。僕には無理だ。
正直に言うと、彼には申し訳ないが自分なら絶対にやらないことをしでかすので半分は楽しませてもらっている。止まらないのだから、楽しむくらいしかできない。
さて、彼はまたも怪しいエロサイトに課金をしようとしている。
状況を説明しよう。
・止めたが止まらない←前提
・「Xとかで満足してくれ」と頼み込んだが止まらない←自己開示
・「やり方分かんないっすねー」と言っても「いいからとりあえずやってみて!!」と止まらない。
止まらないのだ。
まずそもそもバイト先でエロサイトを見せないでほしいのだ。
頼むのだ。せめて音量を下げてほしいのだ。頼むのだ。
へけ。
まぁ、毎度のことながら止まらないのだから、いつか痛い目を見るまで突き進んでもらおう。その時は消費者庁だろうが警察だろうが、僕もついてってやるつもりだ。何故なら彼にまともな説明はできないだろうから。まともな説明を受けても、理解できないだろうから。
さて、そのサイトは動画の購入にクレジットカードかpaypalの登録が必要らしい。
まずクレジットカードの登録はできない。Oさんは後払い式クレジットカードの支払いを滞納している。支払いにはアプリが必要なのだが、そのアプリにログインができない。
彼のスマホは特殊で、認証コードを入力しようとgmailアプリを開こうとすると(つまりそのサイトやアプリをバックグラウンドにすると)途端に接続が切れてしまう。接続が切れると最初の画面に戻るので、認証コードは入力できない。結びつきがなくなってしまう。
もちろん自動で認証コードが表示されるような機能もない。
設定でどうにかできないかと思ったが、設定にない。機種名をネットで調べると、「バックグラウンド接続の維持はできない」と書かれていた。一体なんなんだそのスマホは。
では、認証コードを受け取るメールアドレスをPCにすれば良いのではないか?
彼はPCを持っていない。
使えるPCがあったとて、gmailアカウントに入れない。パスワードを忘れてしまっている。
最悪もう一度僕が作り直せばいいのだが、もうそれも3度目だ。そろそろいい加減自分の力で解決してほしい。
そもそも、できないことはやらなければいい。
gmailアカウントを作ったりパスワードを再取得すること、そしてクレカの支払いは諦めるのに、何故エロサイトは諦められないのか。
クレカの支払いは諦めてどうにかなるものではない。
だが諦めないのだから、paypalを登録するほかない。
paypalのアプリをダウンロードし、銀行口座を登録する。
彼の希望でホニャララ銀行を登録するが、登録するにはそのホニャララ銀行の別サービスが必要らしい。
その別サービスには、認識コードが必要だった。
「諦めてくださ「それでもぉ!」
それでもってなんだろうか。
クレカのアプリのログインは諦めたけど、スマホの性能上不可能だとしても、それでも。
それでもってなんだろうか。
ここまで来ると、だんだん僕もイラついてくる。
そもそもバックグラウンド接続が切れる海外製のスマホを使っているOさんが悪い(彼は大手キャリアのブラックリストに入っているらしい。深くは聞かないが、契約はなんかこう、グレーそうなところでやっているらしい)のだし、クレカの滞納をなんとかすれば良い。(おそらくだが、電話で頼めば振込先口座とか支払い用紙を送ってくれるだろう。頼まなくとも払わざるを得なくなる状況がいずれ来るだろうが。もちろんそれも伝えている)
「会社にさぁ、PCあるから!それ使ってもらえる!?」
「それ僕が使っていいPCですか?!」
「いいよぉ!誰でも使っていいPCなんだよぉ!」
誰でも使える会社のPCなど、この世に存在してたまるか!!
「そこをなんとかぁ!頼むよぉ〜!」
僕に捕まれというのか。PCの無断使用でなくとも、建造物侵入罪が成立するだろう。
そこから1時間半粘った。粘られたとも言える。
僕の心が折れる音がした。
捕まった方が楽かもしれない。
仕事を終えるまで待ってもらい、僕は彼の会社についていこうかというその直前に言った。
「やるにしてもログインしないといけないんで、先にgmailアカウントのパスワードを教えてください」
「えっ!分かんないよぉ!」
「あ、じゃあ無理ですね」
無理なものは無理なのだ。
彼のために捕まってやるわけにもいかない。
「分かったよぉ…じゃあ銀行に行くよぉ」
初めからそうしてほしい。
そして、銀行の人。
すまない。
世の中には、こうした悪意のない厄介な人間がいる。
僕は彼が嫌いではないし、できるだけ彼が困らないようにしたいとは思っている。
だが、前回言ったように僕はコンビニバイトなのだ。
コンビニのサービスにこんなものはないのだ。
そして仮に警察を呼んでも解決する問題ではない。警察は民事不介入だ。
不退去罪は成立するかもしれないが、彼は帰らないわけではない。レジや作業の妨害はしない。あくまで空いている時に粘着しているだけなのだ。
呼べば対応してくれるかもしれないが、警察にできることは少ないだろう。被害者が増えるだけなのだ。
警察とは、こんなことよりもっと大きな事件に出動すべきなのだ。
彼は彼で困っていて、困っているから助けてもらおうとしているだけなのだ。
したたかに生きているだけなのだ。
僕自身、誰かに助けてもらいたい問題を抱えている。
だからこそ分かるのだ。あまりに近すぎず、遠すぎず、そして助けてくれようとする人に縋りたくなる気持ちが。
だが、どんなものも本人次第なのだ。助けられるかどうかは。
そして、僕も僕自身を助けられる気がしないのだ。どんなに手を差し伸べられても、正しいことを言われても、僕は正しい生き方はできないだろう。
だから苦悩する。
彼とのやり取りは、多角的な問題に満ちている。
とにかく、僕は今日もしたたかに生きた。
明日もしたたかに生きるだろう。