その後、日付も変わろうと言う頃に
葬儀屋さんの車で主人と帰りました。
白い袋に入れられベルトをされて
まるで物の様に扱われる主人が
不憫で、お門違いながら葬儀屋さんに
何て事するの!?と思った覚えがあります。
(今考えると当たり前なんですけれど)
朝まで主人が寝ていた、今は面影も無いほど
綺麗になった和室。
そこに葬儀屋さんが事務的に
主人を寝かせ、祭壇を置き
「また明日来ます」と帰られました。
私は叔母と実家に預かって貰っていた
子供たちを迎えに行きました。
自宅に戻り、一通り用事も済ませた後で
義父母に声を掛けようとした所
義母から
「今日は息子と寝かせて欲しい」と
言われました。
小さい頃は一緒に寝ていたが
大きくなって1人で寝る様になってからは
そんな事は無くなってしまった。
もう二度と隣で寝ることは無いからせめて、と。
内心、悩みましたが
昼間の義母の事を考えると
その気持ちも理解出来てしまい
義母の気持ちを尊重する事にしました。
翌日は朝から晩まで
義母の家族が手伝って下さりました。
ですが
わがままではありますが
正直、そっとしておいて欲しい気持ちもありました。
元々、いわゆるコミュ障の私。
大人数集まって、は緊張してしまうし
色々考え込んでしまうのですごく苦手です。
そのため、泣けず喚けず
まるで他人の家に来たかの様な感覚でした。
手伝って頂いているのに大変失礼ですが。
夜、ようやく
皆様お帰りになられ
ホッとしたのも束の間
また義母から隣で寝たい、とお願い。
正直、引きました。
どうして家族水入らずは
許して貰えないのだろうか。
明日はもうお通夜で、今日しかチャンスが無いのに。
気持ちの整理は付けさせて貰えないのか。
色々考えましたが
1日気疲れしすぎて
上手く回らず
結局許してしまいました。
何よりどっとやつれてしまった義母に
ダメだとは言えなかった……
弱い私です。
この事は今でも凄く後悔しています。
最後の1日ゆっくり傍に居ることも、
十分なお別れも
出来なかった。
皆の居ない所で手を握り
冷たくなった唇にキスを1つ落としただけ。
ちなみに義母は翌日のお通夜の時も
同じ部屋でお休みになられたのでした。