〔 鍛高譚 〕が語る本当の話 3( ワイングラス )


( 時代遅れの酒場 ) からの続き
『 友ちゃんか~  』
『 はい 友ちゃんで~す よろしくね (◕‿◕✿ฺ 』


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それから暫くすると 三人連れの客が入って来ると 友子は忙しく動き回る。
まず お通しを出しながら ビールとグラスを運び 愛想よくお酌する。



『 この お通しも友ちゃんの手作りか~?  』
『 は~い いつもの手料理で~す (◕‿◕✿ฺ 』
『 僕は これだけが楽しみで来るからな~  』
『 あ~ら 相変わらず お口がお上手ね 』


すぐに他の客 数人が立て続けに入って来る。


『 いらっしゃ~い  (◕‿◕✿ 』
『 ママは未だか~ 』
『 もうすぐ来ますよ 』
『 友ちゃんがいれば ママは来なくていいよ 』
『 まぁ~ママに云っちゃおっかな  』



1人でカウンターに座り そんなやり取りを聞きながら微笑み ビールを渇いた喉に流し込む。
友子はビールを注ぎに来ては ごめんなさいね急に忙しくてなってと何度も謝り 客の料理を
運んだり 客にお酌をし時には話相手をする。 その間も 時々こちらを見て微笑みかける。



友子は 美人と云うほどでもないが とても人懐っこしい感じで愛想がよく どの客からも
慕われているようだ。 どちらかと云うと下町のおてんば娘というところか・・・・


やがて七時過ぎた頃 女将がやってくる。 なるほど隙のない厳しそうな顔つきをしている。
後から 親しくなった客から聞いたのだが 女将は霞ヶ関官庁に勤める男性と結婚したが 彼は
過労で倒れてから あっという間に亡くなったそうである。 死亡一時金を手にした女将は 
路頭に迷うことは無かったが将来に不安を抱き 直ぐにも慣れない水商売の居酒屋を開業した
そうである。



ここはカラオケ(当時は8トラックのテープ)を置いた居酒屋であり 今夜もやってくる
ちょっと疲れたサラリーマンたちが 飲んだり食べたり そして少し酔いが回れば 会社上司の
悪口やら 小皿叩いてチャンチキおけさと行くところを 楽しくカラオケで歌ったりもする。



このお店で感心なのは 自分の家で作ってくるお通しだけではなく 美味しい手作り家庭料理を
出すことである。 それ故料理の評判は良く それを目当ての固定客も多い。



ただそこで働く人間は楽ではない。 働く人間と言っても料理人がいるわけではなく女将と友子の
二人だけである。 まだ二十歳そこそこの友子は 倒れそうになりながらも 強く歯を食いしばって
頑張り続けていた。 それから週に1・2度 1人で又は友人と 時には親しい顧客と訪れるように
なる。


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それから数ヶ月後 まだ早い時間に店へ行くと すっかり準備を終えた友子は 1人でカラオケを
練習している。 安定し抑えたような低音で歌う声に魅力がある。 素人とは思えない歌唱力だ。
特に〔桂 銀淑〕の歌が実に上手い。どうして そんなに上手く歌えるのかと訊ねたことがある。



『 上手だなんて 恥ずかしいわ でも一つだけ内緒で教えてあげる 』 内緒で!と云う言葉に
  二人だけの秘密のような気がして胸が躍る。
『 本当は ママ(女将)がね 仕事でカラオケのお手伝いをするなら それなりにしっかり
  勉強しなさいって それでプロの指導用テープを買って勉強しているの 』



『 歌は大好きで お店に来る二十歳前から歌っていたけれど 今は仕事なので お客さんに合わせて 
  演歌やデュエットも歌わなければいけないし 』・・・ そう云うと 今度 もうマスターした歌の
   テープをプレゼントすると云う。



ビールを一杯飲み 偶にはお酒でも飲もうかなと云うと この間 青森から来たお客さんが 珍しい
日本酒を持って来たという。 銘酒だそうだが 今はどうしても銘柄を思い出せない。



『 そんなに美味しいお酒なら コップ酒では勿体ないね  』
『 じゃ~ ワイングラスで飲みますか (◕‿◕✿ฺ 』
『 ワイングラスあるの  』
『 ワイングラスで飲むなんて冗談よ 』
『 冗談ではなく 味わい深いお酒は ワイングラスで飲む方が美味しいそうだよ 』



美味しく飲むためワイングラスで日本酒を・・・・・
日本酒と云えば どうしても お猪口に徳利 或いはコップ酒が定番。 
でもワイングラスでないと味わえない幾つかの理由があるそうだ。 

ワイングラスで日本酒を 粋でいい雰囲気 (◕‿◕✿ฺ 

次回へ続く・・・・

ワイングラスで日本酒を

ワイングラスの形状は香りを感じやすい。   端麗辛口と云われる酒は お猪口の方が美味しく感じられる。  しかし米の香りがしっかりするものはワイングラスの方が美味しく感じられる。イメージ 1
ワイングラスは ワインを飲むためだけではなく 香りを楽しみ 味を楽しみ 優雅な雰囲気を楽しむことにも特化している。 
香りを嗅ぐだけでは分かりにくいが 飲みながらだと味わいがすぐ理解できることが多い。
それは 香りは甘味や旨味 雑味などを より引き立たせるかららしい。




吾輩は〔紫蘇焼酎〕である。 名前もある〔鍛高譚〕である。

このグラスの掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが しばらくすると非常な速度で酔い始めた。 グラスが動くのか我輩だけが酔うのか分らないが無暗に眼が廻る。 胸が悪くなる。 到底助からないと思っていると がさりと音がしてグラスから氷が出た。 それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。
ふと気が付いて見るとグラスはもうない。 たくさんおった仲間が一疋も見えぬ。 肝心の素敵な女性客さえ姿を隠してしまった。 その上今までの所とは違って無暗に明るい。 眼を明いていられぬくらいだ。 はてな何でも容子がおかしいと のそのそ覗いて見ると非常におかしい。 我輩はテーブルの上から急に棚の中へ片付けられたのである。   〔夏〕が近づき〔目〕に緑葉、漱(そう)石(せき)込む、我輩である。
      ☆☆☆ 我輩が注がれていたグラスについて Dotpedに聞いて見た。 ☆☆☆

ワイングラス〔 Dotped 〕の好み
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Dotped愛用のハンドメイドのグラスやお猪口です。まず右の茶色いのはセラミックの ビール用。 これで飲むビールは一味違います。 その手前二つはお猪口。 その後ろの小さいグラスは米の香りがしっかりする冷酒用グラス。 クリスタルグラスのジョッキーと横と手前のタンブラーもビール用。 真ん中のグラスはウイスキー用。  手前の小さな グラスは甘いナイトキャップ゚・ドランビュー用。 その横はブランデー そして その後ろがワイングラス。 左側にある二つの色物グラスは気分により冷酒用。
ある雑誌が私の目を止めました。 グラスによって美味しさの味がまるきり違うというものです。シャンパンなどはラムネと本来のシャンパンの美味しさほど違うのだそうです。ヨーロッパの長い歴史から生まれたワイン グラスはどうだろう 調べてみました。

Sommeliers(ソムリエ):熟練された職人により作り出されたハンドメイドのグラス。
ブドウ品種の個性・微妙に異なる特徴を十分に味わう為には それぞれにぴったり合った形の
グラスを使用することが不可欠と言われています。


グラスの形によりワインの流れ具合が変わり ワインが舌の味覚ゾーンのどこに触れるかが
決まる。 グラス形状と容量・グラスの縁の直径・カットされ磨かれているか 丸くなって
いるか等々クリスタルの厚みにより ワインが舌のどこに最初に触れるかで決まる。


更に ワイングラスを唇に当てた瞬間 舌の味蕾は鋭敏になる。 舌がワインに触れると同時に 
その温度舌触り味の3つの情報が伝達される。 ワインは果実 酸味 ミネラル成分 タンニン 
アルコールで構成されていて 香りと味のコンビネーションが素晴らしいワインの風味の世界
へと導いてくれるそうです。 以下は 私が愛好する魅力ある世界のワイングラスです。

【 Baccara 】バカラ(フランス):その華麗なる輝きは〔王者たちのクリスタル〕とも
云われルイ18世をはじめ 世界中の王侯貴族たちに愛され続けてきました。 
クリスタルの代名詞とまでいわれ 誕生から今日に至るまで、数々の栄誉を受けている。 
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【 RIEDEL 】リーデル(オーストリア): 世界中のワインやスピリッツの専門家達が 香り・風味・バランス・後味を最大限に引き出して くれるワイングラス。 イメージ 6 リーデル家9代目当主クラウス・ヨゼフ・リーデルによって世界で初めて考案 されたグラスデザイン。 コンセプトは〔形は機能〕を元に研究され世界中の醸造家の協力のもと ひとつひとつ決定された形は ワインがグラスから舌へと移動する流路を 考え尽くした究極ともいえるデザインで 本物としての魅力あるグラス。