| 第三章 その16〔 クリスマス プレゼント 〕 |
〔 上海の小雪さん 〕当時の政治・経済や時代背景と上海事情を組み入れた 回顧録を 初めて読まれる方 忘れた方は 第一章・第二章シリーズから お読み下さい。
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| 〔 黄思婷 huang si ting 【情缘】 〕↓ |
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第三章 その15 〔 茉莉花 〕 からの続き・・・ 気になっていた大きな問題は解決した。 さてと 小雪さんのところへ戻ろう。 少し足がふらつき始める。 ◇ ◇ ◇ 新宿で霧子と別れて数日後のクリスマス・イヴの昼 アパートへ電話するが 電話は既に解約され 繋がらない。 不安になり会社の電話番号を調べ連絡するが 箱根旅行の前日に退職していた。 これがクリスマス・プレゼントなのか! 頭が混乱する。 あんなに愛し合い 霧子も凄く幸せと 言っていたのに・・・ あれは〔女の命の花〕別れの旅行だったのか!そう思うと霧子が死ぬほど愛しく 胸が張り裂けそう になる。 元箱根でなくても 帰りの電車の中でも 新宿で別れる前にでも 一言伝えておけば状況は 違っていたのではないか!悔やんでみても もがき苦しんでみても どうしようもないと云うのか!! それから三ヶ月 仕事に全く身が入らず 同僚から 下を向いて道を歩いているとか( 思えば 箱根 湯元駅へ歩く時の霧子も そうだった )。 上司からは 最近 覇気がないが どうかしたのかなどと 言われた。 たぶん 鬱状態だったのだろう。こんなことではいかん! 身を引き締め 仕事が終わると英会話や簿記などの研修に没頭し身体と精神を鍛える為 京橋警察PRセンター現在の警察博物館の道場で剣道に励み 半年あまりは自分の身に鞭を入れ やがて普通の精神状態にゆっくり回復していった。 上を向いて歩かなければ・・・ 顔を上げ 真っすぐ前を向いて歩く。
会社の中にも 素敵な女性は沢山いた。 霧子と出合っていなければ たぶん その中の誰かと普通に恋愛し 一緒になっていただろう。
お嬢さん育ちのA子は 家柄を重んじる親の所為で 話が いつも そこから始まる。
明るく感じのいいB子は 積極的にアプローチしてくるが 私は興味がない素振りをしていた。
部署が違う おしとやかなC子は 会社帰りに 偶然を装ってビルの陰で待つ。
事務所で 顔を上げると 遠くから じっと見つめるD子。

クリスマスが近いある日 同僚と その女性達全員で 有楽町・交通会館のスカイラウンジへ行く。 会費は女性千円で 後は男性が奢る。 ラウンジは約一時間で一回転する。
今では合コンと云うのであろう。 席を代え隣に座る女性たちに それとなく話の中で 素敵な人だけど それ 以上 興味がないことを告げる。 それから数ヶ月~1年のうちに その女性達全員が寿退社する。
婚約した ある女性は お疲れさまと言って ごく自然に肩を揉んでくれるが 好きだけど もうお別れねと 云った ような気がした。
取引先の素敵な女性との 恋愛のような事もあった。 みんな それなりの人生を 真剣に考え歩んで行く。
お嬢さん育ちのA子は 家柄を重んじる親の所為で 話が いつも そこから始まる。
明るく感じのいいB子は 積極的にアプローチしてくるが 私は興味がない素振りをしていた。
部署が違う おしとやかなC子は 会社帰りに 偶然を装ってビルの陰で待つ。
事務所で 顔を上げると 遠くから じっと見つめるD子。

クリスマスが近いある日 同僚と その女性達全員で 有楽町・交通会館のスカイラウンジへ行く。 会費は女性千円で 後は男性が奢る。 ラウンジは約一時間で一回転する。
今では合コンと云うのであろう。 席を代え隣に座る女性たちに それとなく話の中で 素敵な人だけど それ 以上 興味がないことを告げる。 それから数ヶ月~1年のうちに その女性達全員が寿退社する。
婚約した ある女性は お疲れさまと言って ごく自然に肩を揉んでくれるが 好きだけど もうお別れねと 云った ような気がした。
取引先の素敵な女性との 恋愛のような事もあった。 みんな それなりの人生を 真剣に考え歩んで行く。
| 〔 敦煌 幻境 〕 |
それから三年経ったある日 同僚が若い女性から電話だと言う。 『 もしもし・・・Dotpedさん? 』 もう少しで 霧子と叫ぶところだった。 『 はい そうですが どちら様ですか? 』 『 ○○霧子の妹で小夜子と申しますが・・・ 』 小夜子は 今 東京に居るので 近いうちに是非一度会いたいと云う。 霧子のことを訊ねると それは会ってから話したいと云う。 それから数日後 小夜子と会う。 顔を見て驚く。 『 貴女が高校生の時の写真を拝見して 霧子さんの若い時とそっくりなのは知っていましたが 今の貴女は・・・ 』 『 姉にそっくりでしょう! でも駄目よ そんな目をして見つめては! 私は霧子姉ではないの ですから~ 』 と言って笑う。 『 いや~これは失敬 ! 』 ハッと我に返る。 『 ところで Dotpedさんは まだ独身ですか? 』会ってすぐの直球質問である。 『 えぇ 色々ありましたけれど まだ・・・ 』 『 う~ん やっぱり ! 』 『 やっぱり !? 』繰り返す。 『 Dotpedさんは ハンサムとは云えないけれど 姉が好きになるのは よく分かるわ! 』 余りにリアルな表現に驚く。 『 えっ !? そう云えば 私はよく いい人 無難な人と云われ そんな・・ いや損な人ですね? 』 小夜子は 自分のことを話し出す。 母は癌の手術後の経過が良く 現在は勤めに出ている。 兄は 札幌の○大医学部研修医である。 彼女は今年 高校卒業後 東京○○医大に入学し 今 霧子の家から 通っている。 将来は精神科の医師になると言う。顔は霧子とそっくりだが 性格はまるで違う。 『 姉と 性格が随分違うと思っているのでしょう!』 人の心が読めるようだ。 『 姉のことは 今から話しますね! その前にちょっと休憩。』と言って小夜子は席を立つ。 小夜子が席を立った後 暫く放心状態になり その後 胸が高鳴る。 ◇ ◇ ◇ 霧子は 最近 元気がなく余りにも落ち込み 見るに見かねて 色々考えた挙句の電話なのだと云う。 姉は元々綺麗好きで 部屋の掃除とか洗濯なども 日常の事は欠かさずやっていた。 最近は掃除を 一週間もしない時があり 私がやる事もある。 それは いいのだけれど あんなに清潔好きで 毎日 シャワーを浴びていたのに三日に一度 最近は一週間も浴びないこともあり 外出もほとんどしなく なった 余りに汗臭いので シャワーを浴びるように云うが 何もする気が起きないのだと云う。 症状から 鬱病だと分かり 今は抗うつ剤を飲んでいるが 回復はしていない。 時折 秘密の写真を見ながら 涙ぐんでいるのを見ると とてもじっとして居られなくなる。 以前 姉からDotpedさんのことを 聞いていたので 手帳を盗み見 電話番号を確かめ連絡した。 霧子は 小夜子が高校時代に特待生で常にトップの成績で そのまま志望の医師の道を選んだ事を 本当に喜び 知人に自慢げに話す。 その一方で 時折 Dotpedさんの事を思い出すのか 誰もいない 時 あの写真をじっと見ている。 小夜子は こうして自分の進むべき道を 姉が自分を犠牲にして 応援してくれた事に感謝し尊敬しているが 姉の幸せを考えると とても辛くて仕方がないと云う。 私は 三年前新宿で別れてからの 霧子の行動がよく分からないし 死ぬほど苦しんだことを伝えた。 『 本当に ごめんなさい。 いくら詫びても 詫び足りないわね。 』と言い 姉も 本当は苦しみぬき もう二度とお会いすることはないと覚悟を決め 今の生活に入ったのだろうと云う。 その後 私にとっては もっと辛く酷な話しを聞くことになった: ◇ ◇ ◇ 霧子が箱根旅行の約一ヶ月前に 母の癌手術費用を必要としていた。 兄は予備校から費用が掛かる 医学部への進学を望んでいた。 小夜子は奨学金で高校の授業料は掛からないが やはり医大を目指 していたので費用の工面を考え 断念するかを決断しなければならなかった。 それまで恋をしたことがなかった姉はDotpedさんと出会い 女の幸せを感じ始めていた。 その当時 ミカドから銀座のクラブへ移る時世話になった事業家A氏(前妻と別れて数年)に求婚されていた。 彼とは 年が離れているだけで 特に嫌いと言うことではなかったが Dotpedさんと一緒になる夢を 見ていたので 断り続けていた。 しかし母の手術費用など とても生活できる状況ではなくなり悩み続け A氏と結婚することにした。 でも どうしてもDotpedさんに言い出すことが出来ず 人間としての選択肢より 女として 二度と 会えない 死ぬほど愛する人に〔女の命の花〕を捧げたいと箱根旅行を決断した事を 後になって 姉から聞いたと言う。 だから こうして私が会うのは本意ではないが 姉が今のままの人生で本当にいいのか もう一度だけ でもDotpedさんと会うのは どうなのか 若い私にはわからないが こうして来てしまった。 霧子は 更に あることから悩み悔やみ続け 精神的にもそうとう参っているとも云う。 そこまで追い込まれていたことなど 余りにも想像とかけ離れていたばかりか 例え想像できたと しても その当時の自分には どうすることも出来なかったと思うと 自分の不甲斐無さに情けなく なるばかりで 女性の生き様の凄さに驚く。 更に まだ悩み悔やみ続けていることに 自分を映し 益々複雑な心境になる。 _/_/_/_/_/ _/_/_/_/_/ _/_/_/_/_/ 小雪さんは 話の展開が予期せぬ方向へ進み 酔いが醒め 複雑な顔をしている。 私は小雪さんと 霧子の何処かが似ていると思っていたが そうではなく 小雪さんと小夜子の性格が凄く似ている ことに やっと気がつく。 この後の話しを続行すべきか 小雪さんや読者は どんな反応を示すのか気になり躊躇し 途中で小説 に変換し終えることも考えたが これは回顧録なので そういう訳にも行くまい。 当時の時代背景 と複雑な人間ドラマを垣間見るような絡みの展開で 霧子の話は もう少し小雪さんに話し続けること になる。 次回へ続く・・・
こんなことではいかん! 身を引き締め 仕事が終わると英会話や簿記などの研修に没頭し身体と精神を鍛える為 京橋警察PRセンター現在の警察博物館の道場で剣道に励み 半年あまりは自分の身に鞭を入れ やがて普通の精神状態にゆっくり回復していった。
上を向いて歩かなければ・・・ 顔を上げ 真っすぐ前を向いて歩く。