兼本 貴司 ABC 2位です | 960 ゴルフ嫌いのプロツアーコーチ Blog                  BROAD ONE GOLF STUDIO              

チャンピオンに、もっとも肉薄したのが15位タイは、

首位とは11打差の通算2アンダーからスタートした兼本だった。

ボギーなしの7バーディは、今季自己ベストの65で回って単独2位に踊り出て

「久しぶりに爆発しました」と、胸を張る。

今年5月の三菱ダイヤモンドカップでプロ17年目のツアー初優勝をあげたものの

「あのときのショットはどこへ行っちゃったの、という感じで」。
その次の大会から4試合連続の予選落ちをするなど不振に陥ったが

中嶋常幸プロに叱咤激励を受けながら、黙々と練習に励んできた。

その成果がこの日はしょっぱなから表れた。
「“よーいどん”のショットが、フェアウェーのど真ん中に行ってくれて」。
さらにアイアンショットも切れまくった。
ABC名物の高速グリーンも、トレードマークの長尺でお手の物だった。

「たとえば普通に打てば、10メートル行ってしまうところを

長尺なら8メートルしか行かない。

ヒットしても行きすぎないので、速いグリーンほど思いきって攻めていける」と

1番で奧から5メートルのチャンスも「バントみたいに打った。

それがぽっこり入ってくれて。波に乗れた」と

、そこから怒濤の4連続バーディで一気にスコアボードを駆け上がった。

首位と3打差まで詰め寄って、迎えた最終18番パー5はしかし

無欲だった。
最初の大量差に、「どうやっても追いつかない」と潔く

池越えの第2打はライが悪かったこともあり

迂回コースのフェアウェーに確実に刻んで手前5メートルのバーディトライ。

惜しくも外したが、初優勝後の今季のベストフィニッシュに

「今年はもうひとつくらいは勝ちたいね」と戦い終えてから

ようやく色気も出てきた。
しかし、すぐに打ち消して

「まだショットは好ましくないから。まだまだ手探りが続くのかな」と思案顔で

「まあ、俺の場合は一生、手探りかもしれないけれど」と、おどけて笑った。
 

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