もうすぐ大劇場公演が終わってしまいますね。
奇跡の作品が。
私は1月に2回観劇しました。
原作は、観劇前にあわてて読み、その世界の深さと重さと美しさに衝撃を受けました。
そして、観劇をして、まあ、さらに衝撃を受けたという・・。
小池先生の原作への全身全霊のリスペクトが、宝塚に新たな名作を誕生させたと思います。
みりおさんのエドガー。
ビジュアルは今更何も言うことはありません。
小池先生の目の確かさに感服。
そして声。なんといっても、声。
ストーリーの展開にあわせて、エドガーの声が変わっていき、その声が観客の心を揺さぶるんですね。
みりおさんが声に込めた様々な感情を、観客はほぼキャッチしたと思います。
今作品に、エドガーの圧倒的な存在感だけしかなかったなら、悪目立ちをして作品は台無しになった恐れすらあります。
でも、そうではなかった。
アランやシーラや男爵やメリーベルがいたから。あと、人間どもも。
れいちゃんのアランは、このアランならエドガーが求めたはず、と納得できるアランでした。
突っ張っていても、エドガー同様揺れる心の内がうかがえて、よかったな~。
見ていても美しいし。
私的にはゆきちゃんのシーラの存在が大きかったです。
ゆきちゃんはプログラムやほかの誌面でも、役についての理解が深い人だなあといつも感心していました。
シーラをエドガーと対極の愛にあふれた(若いけど)大人の女性として登場させてくれたおかげで、少年少女だけの世界から、人間と対比したバンパネラの世界を見ることができた。
男爵との出会いを歌で聞かせるところも、歌うまの実力を目の当たりにしてびっくりでしたし、
馬車で男爵と歌う「ゆうるりと」はもう絶品です。
そして、狩りにでかけ、砂と散ってしまう壮絶な最後・・とシーラのインパクトありすぎ。
小池先生ありがとう。今のみりゆきコンビの新たな可能性を存分に見せてもらいました。
ポーの一族は、一度見たら原作同様忘れられない作品だと思います。
宝塚以外にも、舞台化、映画化などなど希望される方々がでてくるかもしれませんね。
でも、この宝塚での舞台化は、かなり高いハードルとなったのでは?
それをいうなら、今後の宝塚での公演もそうか・・・。