6月14日の中日劇場初日を拝見しました。
楽しかったです。場内、笑いが絶えませんでした。
映画の印象そのままに、宝塚味を加えた感じで、誰もが楽しめる作品でした。
男性の観客も多く、同伴者か、熱心なヅカファンか、はたまたローマの休日映画ファンなのでしょうか。

私の印象に残ったことは、
台詞が映画と同じだったこと!
もちろん全部ではありませんが、かなり映画に忠実で驚きました。これは著作権などの関係なんでしょうか。

そして、そして、ゆうみちゃん(咲妃みゆさん)のアン王女がよかったです。
王女らしい品性を失わず、王女ならではの一般人との感覚のずれもおかしく、ちょっと茶目っ気がありました。
映画のオードリーは見た目にスタイリッシュな感じで、王女との時と冒険の時との振り幅が大きいのですが、ゆうみちゃんはかわいらしい感じです。

なんといっても、私の席はコンパクトな中日劇場とはいえ2階最後列でしたので、オペラグラスを使ってもお顔がよくみえません。
ゆうみちゃんは表情が見えずとも、何よりもその声で、どんな王女か感じられるんです。
この王女なしにちぎさん(早霧せいなさん)のジョーは存在するのかな、と思ったほどです。


ちぎさん。
ジョーの本当はいい人という人柄がよく伝わってきました。アクションなどの派手な立ち回りはなく、本音を言わない察する場面が多い中、ゆうみちゃんと同じように台詞とわずかな体の動き(止まったり歩いたりを含めて)でも観客を引き込むのはさすがの演技力と思います。
スーツ姿も素敵です。
最後のあいさつでは、なぜか観客を自然に油断させて笑わせていました。お人柄というのか、ちぎさんの発するエネルギーに会場が熱くなっていました。

れいこちゃん(月城かなとさん)
こんな役やるの?というラテン系の役をやってました。いいのではないでしょうか。笑いもとってました。シャルウィーのともみんの域に達するにはまだまだですが。フィナーレの濃密なタンゴは色っぽかったです。

舞台美術。
盆がまわるまわる。舞台上の装置自体はシンプルですが、くるくるまわる盆のおかげで場面転換が多く飽きることがありませんでした。「真実の口」のリアリティ。ライトが当たって、これをしばらく鑑賞する時間があったくらいです。宝塚舞台の皆さますばらしい。

歌。
1回見ただけなので記憶力の問題かもしれませんが、耳に残るフレーズがあればよかったのになあと思います。お芝居がいいだけに。歌になるとちょっとだけ・・・となりまして、雪組の方はあまり歌はお上手ではないのか?という印象が残りました。

フィナーレ
大人のさわやかなおとぎ話のような本編のあとに、短いながら濃厚なフィナーレがついていました。和もののイメージが強い雪組ですが、デュエダンも含めて、こんなセクシー系のダンスもされるんですね。本編と対照的だったのでインパクトがありました。

雪組の皆さま、楽しい「ローマの休日」をありがとうございました。