すべりこみセーフで花組「ミーマイ」を宝塚大劇場で観劇できました。

心がじんわりあたたかくなる作品でした。
再演、再演、と言われておりましたが、名作でした。

私、実は初めての「ミーマイ」だったんです。
ですので、このタイミングで再演していただいて感謝していますし、名作を再演することに大賛成です。

宝塚にぴったりの作品なので、インターバルの期間だけ考慮すれば、何度再演しても、そのたびごとに新たなファンを獲得できるのないでしょうか?

と、いうことで、初めての観劇ですので、ろくな感想ではないことをあらかじめご了承くださいませ。

ビル(明日海りおさん)
誰よりも、テンション高く、ぶっちぎりで舞台を疾走していました。
最初は下町の気のいいお行儀の悪い、でも何か愛らしい青年として登場。マリアおばさまの教育を経て、燕尾服やスーツをきれいに着こなしていく様子はお手のもの。
何より、サリーへの愛情がビルの本当の気持ちと、見るものに信じさせてくれました。
観客は(というか私はですが)サリーに感情移入するので、ビルの気持ちが強ければ強いほど舞台に惹きつけられます。
アドリブは・・。どこだったんでしょうか・・。ごめんなさい。
ゆずかパーチェスターの前髪を「たつのおとしご」と言ってました。

サリー(花乃まりあさん)
ビルにお似合いのサリーでした。下町のおきゃんな娘ですが、ビルを一途に思うけなげな感じが本当にいじらしくて。よかったです。最後もばっちり決めておられました。
聞かせるところが2曲。「一度ハートを失くしたら」(歌詞の意味が抽象的なのでどういう意味かな・・と考えているうちに曲が進んでしまったのが心残り。)と「顎で受けなさい」。

パーチェスター(柚香れいさん)
妙な人でした。ビルの次に笑いをとっていました。タイプは違いますが、シャルウィダンスのともみんを思い出しました。これとジャッキーを役替わりって全然違うのに、お芝居の幅を自分で広げる力があるのですね。

マリアおばさま(仙名彩世さん)
とてもよかったです。台詞は誰よりも聞きやすく、ビルのことを考えている女性なんだと伝わってきました。この人歌がうまいだろうな、という観客の期待にも十分に応えて、歌もお上手でした。

ほかにも、いろいろメインのキャストの皆さまよかったんですけど、あとこの方だけは。
ヘザーセット(天真みちるさん)
私が認識できたのは、第2幕になってから、ちょっとだけ。ほんの5分くらいだったかもしれない。でも、アドリブをいうわけでも一発芸をするわけでもないのに、間・・?というものなのか、おかしい。とにかくおかしい。声を出して観客が笑っていた。台詞の量に占める笑いの割合を比べるならば、たそさんがダントツでした。

最後に・・。
ミーマイは曲もいい。名作には名曲がつきものですものね。
オーバーチュアが奏でられ、期待が高まります。
幕開けは「ヘアフォードの週末」というナンバー。

・・なんですが、あまりに歌えてなくてずっこけます。
これからこのミュージカル大丈夫なのか・・と一瞬不安に思ったほどです。
みりおさんとジョン卿のあきらさん(瀬戸かずやさん)のデュエットのほうが、10分の一以下の人数なのに遥かに迫力がありました。

舞台に、あんなにたくさんの人がいるのですから、コーラスというか、群衆になったときのエネルギーがもっと出てもいいのになと思いました。
下級生の皆さま、上級生の方々の進化に、がんばってついていってくださいませ。