伸一が五年生になると、上の学年のチームに助っ人として試合に行く回数ががくんと減りました。

もともと六年生だけでも試合ができるだけの人数はいるのですが、何人か試合に行けないときだけ、五年生の助っ人が呼ばれるのです。

四年生のときは、そんなときはたいてい呼ばれていたのですが、五年生になると、足の速い子や、一対一に強い子が呼ばれるようになりました。

私は上の学年の子たちの試合を見に行ったことがないので、その中で伸一がどのような活躍をしていたのかは知りません。しかし、体格が一回り大きい上の学年の子たちの中で試合をするのは、伸一にとってはきつかったのではないでしょうか。


同じ五年生のチームでの試合は、相変わらずいい動きでチームの中心的役割をしていましたが、全体の上達速度が、伸一の上達速度より上で、だんだん伸一は目立たなくなってきました。

ボールの扱いは伸一よりうまい子が何人もいましたし、身体能力は伸一より優れている子ばかりです。

小学校六年の後半、あるいは中学生くらいから伸一にとってサッカーを続けていくことは、つらいことになるのではと思いました。

もちろんそんなことは言わず、私のできる範囲で伸一がサッカーがうまくなるよう協力しました。

ところが、お母さんは違いました。伸一のことを私以上にわかっているので、

「中学に入ったらテニス部に入りなさい。中学でサッカーをやってもレギュラーになれないから」

と、平気で言っていました。

そんなことを言ったら、伸一もつらいだろうにと思ったのですが、伸一はまんざらでもなさそうに、

「そうしようかなー」


なんだ、伸一のサッカーに対する情熱はそんなもんかい。