私が周囲によく言っていることだが、もし 『子供嫌い選手権』 なるものがあったら、私は間違いなくぶっちぎりで優勝だ。そう確信している。
うるさかったりわがままだったり、憎たらしい子供なんかはもちろん、たいていの人がかわいいと思えることすら私には嫌悪対象でしかない。顔、声、仕草・・・
子供がきゃいきゃい楽しそうに遊んだりしている姿ですら嫌悪感を覚える。もうこれは異常だ。しかも特に嫌う理由が無いことが余計に恐ろしい。
そんな私が、改めて自分の子供嫌いを自覚した出来事があった。
日中、車で営業まわりをしている私だが、前方を走っていたタクシーのトランクに乗客のものと思える車椅子が畳んで積んであった。トランクに入りきらなかったようで、閉まりきらない部分をヒモで固定してあった。
それを目撃したクソガキ3人(たぶん小4~5くらい)が、
「お―――――――――い!!!タクシ―――――――――!!!トランク開いてるよ―――――――――――!!!!!!」
と最大限の声で絶叫しながらチャリで併走してきた。
当然タクシーに追いつけるはずもなく、私もタクシーもガキらを尻目に走り去って行ったのだが、しつこくどこまでも絶叫しながら追いかけてくる。
「やべえよ!タクシー行っちゃうよ!お――――――――い!!!」
こちらも信号待ちなどがあるから、案外ガキらも全速力で追いついてくる。
かれこれ1km近く絶叫併走をしてきたのではないだろうか。周囲の歩行者や住民は子供の絶叫なんか聞いたら何事かと思い、驚愕の表情を浮かべている。そんな迷惑をふりまいていることなんかおかまいなしに、ガキらはまるで殺人犯を追うデカ気分で鬼気迫る表情でどこまでも着いてくる。
そして、ついに長い信号待ちのところで追いつかれてしまった。停まっているタクシーに叫ぶクソガキ。
「あの!あのー!!トランク開いてますよ!とーらーんーくー!!開いてますよ―――――――――!!!」
私はついに堪忍袋の緒が切れ、車の窓を開け、
「おい!うるせーよクソガキ!!開いてるんじゃなくて閉まらないからヒモで固定してあんだよ!!お前らに見えてねーだけだろ!車運転したこともないくせに口出すな馬鹿が!!!おめーらは住民の迷惑なんだよ!!!」
・・・・・・・と、言おうと思ったら、先にタクシーの運転手さんが窓を開けて、クソガキたちに優しく笑いながら 「いいの、いいの。開いてて。」 と言ったらしく、ようやくそこでクソガキたちは 「あ、いいんですか?あははは。」 と追跡ごっこを諦めた。それを見ていた周囲も苦笑いだった。
あ・・・そうか。一般的に見てこれは、健全な少年達が親切心で、タクシーが困らないようにわざわざ教えてあげるために一生懸命追っかけてきたという微笑ましい出来事なんだ、と理解した。
私の価値観では、周囲の迷惑かえりみず興味本位で車を追っかけて刑事ごっこを楽しんでいるどうしようもないクソガキの、学校に連絡するレベルの救いようのないイタズラにしか見えなかった。なんという歪んだ子供観。
私の子供への嫌悪感はどこまで根が深いのだろう。我ながらゾッとした。
大丈夫、絶対に子供は産まないから安心して![]()
