吸血鬼は、星降る夜に思った。

流れ星を見ながら

「私という存在は最後、人間に退治されるためにあるのか・・・・。」

それがさだめ言うならば仕方がない。


狼男は満月を見ながら言った。

「この肉体は、やがて十字架を溶かした銀の弾丸によって朽ち果てるのか・・・。」

いやそれが俺の望みなのかもしれない。


フランケンは鉄のベッドを起き上がって思った。

「この俺という存在は何なのだ?」



それを聞いていた河童は、みんなに説教をはじめた。

「やいやいやい、聞いてたらつまらないことばかり抜かしやがって

よく聞きやがれ!存在はそれ自体存在することだけでいいんだよ!

理由は必要ない。あるということが意味があることなんだ!

吸血鬼であれ狼男や人造人間、あるいは妖怪も今、ここにある!

それでいいんだよ。それで。」


宗教や科学や社会などに結びつけて存在を語るやつが許せなかった。


意外と河童は哲学者なのかもしれない。

あるいはただの西洋嫌いかもしれない。

単純な者ほどじつはとっても強いのだった。