解散が決まり、各政党はマニフェストを出すことになった。

議員のモラル党は、テレビでの記者会見でそれを発表した。

「えーまずですな。手始めは、国会でのくだらない野次を禁止にします。品位がないですな。野次を言った人間はそのままぼこぼこに殴って退場させます。」

記者たちは、なるほどといいながらメモを取った。

記者のひとりが手をあげて質問した。

「寝ている議員やらくがきや折紙や携帯をしている議員はどうなるのです?」

党首は、頷いた。

「もちろん、ぼこぼこに殴ってつまみ出し国会の廊下で水の入ったバケツを持たせます。」

おお、それはなかなかいい案ですねというような顔して記者は納得した。

他の記者が手を上げて別な質問をした。

「国会の出席日数が足りない議員はどうなるのです?」

うむうむというながら党首は答えた。

「罰金です。思い切りその議員に税金をかけて徴収します。その議員の資産の3分の2は収めていただきます。」

それはいいと記者は拍手をした。




そして議員のモラル党は第一党になり政権を勝ち取った。

国会は静かになった。まるで図書館のような静けさだ。

さすがにいい歳をしてぼこぼこに殴られて

バケツを持って国会中継のテレビに流されるのは屈辱だ。

静かな中にも緊張があった。

静かなだけに眠気が襲ってくる。

いかん寝てはいかん。

どうすれば眠気が覚めるのか・・・。

一人の議員が思いついた。

そうだ乱闘以外に眠気を覚ます方法はない。

静かに答弁をしている党首にその議員が静かに近づいていった。

そして党首を肩をポン!と叩き党首を振り向かせた瞬間、

バギ!と殴った。

それを合図に他の議員も加わり乱闘が大きくなっていった。

しかし誰も野次を言わない静かな殴りあいだった。



結局、何も意味がない結果だった。



議員の根本の質を変えなければ・・・。