彗星迎撃司令室。

彗星衝突まであと3時間。

すべての手は尽くした。1980年代から米が軍事衛星を打ち上げていてそれには核ミサイルが搭載されていた。それをすべて彗星に照準を合わせて発射したが、ことごとく失敗した。

米大統領は、肩を落として部屋を出ていった。

「最後の切り札もだめか・・・。」

世界の人々に向けて大統領は、最後の演説を始めた。

「世界のみなさん、米の彗星の迎撃計画は失敗しました。我々は、あと3時間しか時間がない。この3時間を人として誇りを持って生きましょう。3時間前にもう世界の各地で戦闘は終わりました。兵士はみな故郷に戻ってきています。我々は気づくのが遅かった。

無駄な血をいままで流してきたこと後悔していています。また、隣に困っている方がいれば助けてあげてください。できる限りことを我々はしていこうではありませんか。

もし生まれ変われるチャンスがあるなら平和な世界を築いていきたい・・・・。

全世界が平和である世界を。


最後は神に祈りましょう。天にまします我らの父よ。我々の罪をお許しください。また、救いたまえ。」

大統領は泣き崩れた。


一枚に羽が大統領の頭上に落ちてきた。

泣き崩れる大統領に側近が耳もとでつぶやいた。

「彗星に突如出現した別の彗星がぶつかり彗星の軌道が変わりました。奇跡です!」

「それでは地球にこないのか!」

「はい。まるでビリヤードみたいに!」


翼の男は、記者の席に座って質問した。

「今言ったことは、守ってくれますね。笑」


大統領はその声を聞き記者席を見回したが誰もその言葉を発していなかった。

「空耳か?」

ふと空を見上げるとそこに翼の男がいた。

「天使の声ですよ。笑」

大統領の頭上の翼の男は、朝焼けの空を昇っていった。