少年は船で旅にでるんだ!と決心し船に乗ったが
遊覧船のため また港に戻ることになった
少年は泣いた
自分の不甲斐なさに泣いた
港にいたパイプをくわえた白髭の海の男が少年に言った
「坊主、帰ってこれることが大事なんだよ 笑」
「どうして」少年は泣くのをやめて聞いた
「待ってる人がいるからさ 坊主にもやがてわかるさ」
少年は、よくわからなかったが
潮の香りがするこの男が嘘を言ってるとは思わなかった
男は少年の頭をくしゃくしゃに撫ぜて去っていった
よくある海の話である
ヘミングウェイに捧ぐ