<2023年7月16日0時14分>

前日からの豪雨は強弱を繰り返しながら降り続き、

21時前に始まった床上浸水も徐々に水位が上がり、

23時頃には床上約20cmほどまで達して、小康状態になりました。

床上に来る前までに、2階へ上げられるモノは

妻と二人で必死に運びましたが、室内が水に浸かり始めると

あとはただ黙って見ているしかありませんでした。

もちろん眠れるはずもなく、日付が変わって翌16日になりました。

 

窓を開けて外の様子を動画で撮影しました。

ちょうど雨が止んだタイミングで、風の音しか聞こえません。

「内水氾濫」で見渡す限り汚水に浸かったまま、

「不気味な静けさ」に包まれた夜は更けて行きました。

 

夜が白々と明けて来た翌朝4時20分頃の様子です。

道路の冠水開始から12時間以上経ったというのに、

黒く濁った汚水は殆ど引いていませんでした。

お向かいの車は完全に水没、流されて行った町内のゴミ箱は

目の前のあたりでどうにか止まっていました。

 

自宅裏側を見てみると、こちらも「完全水没」状態です。

裏隣りのお宅も床上まで浸水しているようで、

子供達が歓声を上げて遊んでいたバスケのリングが倒れ、

パラソルや簡易プールなどの外遊び用の遊具が浮かんでいました。

 

その頃、床上まで上がった我が家の汚水は少し引いて、

フローリングが見え始めていました。

ただ「汚水」の油と泥の混じったどす黒い縞模様が残り、

異臭を放ち始めていました。

 

水の引き際のフローリングの様子です。

 

お隣はどうだろうと玄関から覗いてみると、

こちらも依然として車は完全水没状態でした。

 

道路の水位は、この時点でも60cm程度はあったと思われます。

堤防の決壊等による外水氾濫は一気に水が押し寄せ、

川の水位が少しでも下がれば一気に水が引いて行きます。

それに引き換え「内水氾濫」の場合は、ジワジワジワジワ水位が上がり、

下がり方もジワジワジワジワで、下水が流れて行く先の川の水位が

排水口より低くならなければ排水できない状態が続くことは想像できました。

その結果、この道路の汚水冠水は長時間続くことになり、

その間、外出もできないし、誰も近づけない状況でした。

屋内への浸水経過同様、屋外も「ただ黙って引くのを待つ」しかありませんでした。