勘三郎さんが旅立ってから、早くも丸12年になります。

彼の最期の頃の様子が、

裏話も含めて手に取るように分かる内容でした。

 

 第1章 勘九郎誕生

 第2章 十八代目中村勘三郎襲名へ

 第3章 息子たちを育てる

 第4章 仲間たちとの絆

 第5章 海外での挑戦

 第6章 病と闘う

 第7章 最期の日々

 第8章 勘三郎がいなくなって

 第9章 家族は語る

 

2月に久しぶりに神田の古本街を歩いていました。

 

そこでたまたま見つけた「パサージュ3号店」

最上段の棚の「本屋」で見つけた1冊です。

 

勘三郎さんをナマで一度だけ見たことがあります。

「2012年1月4日 浅草 平成中村座」でした。

 

席は花道のすぐ脇で、役者たちの衣裳や香りを肌で感じていました。

 

夜の部で出演したのが「壽曽我対面」「曽我十郎」の役でした。

休養明けで元気一杯に見えた舞台でしたが、この本を読むと

相当大変な状況で、かなり無理をしていたことが分かります。

ほんの一瞬程度でしたが、ナマ勘三郎さんを見ておいて良かった…

としみじみ思います。

この年の12月5日ですから、ちょうど11か月後に彼は旅立ちます。

その当日、京都南座で息子の勘九郎さんが涙ながらに述べた口上の最後、

「父のことを忘れないでください」は、今でも忘れることはできません。

 

【2024年4月10日 読了】