やること自体に別に反対はしませんが、

いくらやっても成果は出ないことが分かり切っているのに、

何年たっても相変わらずやり続けるのは、どこか虚しさも感じます。

少子化、高齢化、人口減少、移住促進、一局集中是正・・・etc.

 

少子化対策も、国家百年の計の大問題とばかりに

ここ四半世紀以上多額の税金が投入されて来ましたが、

殆ど成果が出ていない施策のひとつです。

それは「やればやるほど成果が薄れて行くもの」だから、

というのが本書の論調です。

 

 序 章 「希望出生率」とは何か?

 第1章 女性が働けば、子どもは増えるのか?

 第2章 希望子ども数が増えれば、子どもは増えるのか?

 第3章 男性を支援すれば、子どもは増えるのか?

 第4章 豊かになれば、子どもは増えるのか?

 第5章 進撃の高田保馬~その少子化論の悪魔的魅力

 第6章 地方創生と一億総活躍で、子どもは増えるのか?

 

様々なデータは「どこを切り取るか」「どこを強調するか」で

印象が180度変わったりもします。

それぞれの項目について、データ全体を俯瞰し、

更に他のデータや情報を組み合わせて、論理を組み立てて行くやり方。

それだけに、導き出された結論には説得力があります。

 

最後の答えは【誰もが少子化対策を声高に叫ばないような日が

来たときに、この日本列島においても、出生率は静かに回復して行く】

というもので、少子化は日本が歩んで来た歴史の帰結であって、

悲観も楽観もすべきものではなく、そのまま受け入れるべきもの、

という話にも共感が持てました。

 

【2021年8月29日 読了】