世界で最も有名な日本人の一人かも知れない「オノ・ヨーコ」さん。
約50年前にビートルズが解散したときに、
そのトリガーとなったのが彼女だという話がまことしやかに流布しました。
曰く「ビートルズを解散の追い込んだ女」。
では真相はどうだったのか?
安田財閥の祖である安田善次郎のひ孫として生まれ、
幼少期から(ある意味)何不自由なく育ったお嬢様であり、
前衛芸術家として今も活躍する彼女。
まえがきの中に、
【 片親をなくしたショーンのために、と思って、
万事低姿勢で自重しているわけだが、
本当は世界に向かって、バカヤローと叫びたいのが本音だ。】
という一文があります。
世界中から謂れのない罵詈雑言を小柄な身体で一身に受け止め、
反論はせずに、じっと耐え続けてきた人生だったのかも知れません。
彼女は「ただ」自分の心に率直で率直で正直に生きて来ただけなのに…。
かくいう私も50年前は、「世間」の話題に振り回されて、
彼女のことを誤解していました。
その後、その誤解は解けましたが、この本を読むと、
そのあたりの経緯についても、本音が分かります。
SNS全盛の時代だったらと思うと空恐ろしい気もしますが、
それだけ根拠のない話や、また聞きの話を拡散することの罪深さを
改めて考えさせられました。
【2021年5月10日 読了】