明治維新と表裏一体を成しているのが戊辰戦争で、
そのことは歴史で習ったので覚えてはいました。
新しい時代が切り拓かれていく中で、
旧体制の抵抗が激しく長く続いた・・・といった形で。
でも「歴史の真実」は何か?と突き詰めて行ったときに
戊辰戦争で駆逐された側にも歴史はあることが
数年前にとある場所で知りました。
副題として「会津人 柴五郎の遺書」となっていて
戊辰戦争で鶴ヶ城落城の現場にいた人物が
事細かに当時の状況を綴り、
その後下北半島の斗南藩として転封されていく状況を記しています。
文語体の文章は決して読みやすくはありませんが
「会津側」から見た歴史の断面は、あまりに凄惨を極めており、
この時代に対する見方が根底から覆される面もあります。
2018年7月14日、たまたま訪れた青森県むつ市大湊。
朝の散歩で見かけた「斗南藩士上陸の地」という古びた木柱が、
私が会津と戊辰戦争に興味を持ったきっかけでした。
「歴史の見方はひとつではない」と改めて思い知らされた一冊です。
【2021年2月2日 読了】