昔々読みえた本を再び引っ張り出して読み直し、
敬意を表して廃棄して行くシリーズ。
6冊目は、「有島武郎」の「惜しみなく愛は奪う」でした。
カトリックに入信して、その後背信して行くあたりの葛藤が
延々と淡々と記されていて、言葉遣いや言い回しが
とても難解で、なかなか進みませんでした。
最初に読み終えたのは1974年(昭和49年)1月。
当時の価格は160円。
【2020年8月4日 再読了】
そして昨日再読了したのは「石川啄木集」。
編者である古谷綱武さんが巻末の解説も書いています。
20編ほどの作品集で、なぜか上巻がなく下巻だけでした。
貧しさに打ちのめされそうになりながら、
ギリギリの状態で創作活動をしていたことが分かる作品集で、
読み進むにつれて、読む方も気が重くなって行きました。
最初に読み終えたのは1972年(昭和47年)9月。
当時の価格は120円。
有島は角川、啄木は新潮文庫ですが、どちらもパラフィン紙掛け。
前に読み終えた芥川の岩波文庫もそうでした。
50年も経つと、パラフィン紙はハラハラと破れ落ちますが、
中から現れる表紙は綺麗なものです。
昔の文庫はシンプルで、かつ長期保存に耐えられるような装丁。
それはそれで良かった・・・と懐かしくなりました。
【2020年8月27日 再読了】