昔々読んだ本を再び引っ張り出して、
敬意を表しながら再読したうえで処分して行くシリーズ。
5冊目は夏目漱石です。
4冊目の芥川作品から1ヶ月以上が経過しました。
初版は1965年(昭和40年)7月10日、
重版が1970年(昭和45年)5月1日ですから
50年前の旺文社文庫です。
価格は160円。
夏目漱石の初期を代表する2作が収められており、
教科書等にも載っていた日本文学の名作中の名作。
「坊ちゃん」は痛快活動劇みたいなもので、
スタスタ読めましたが、
「草枕」はなかなかの難読単語や文章で苦労し、
ページ横の注釈をいちいち確認しながらの読書でした。
栞は小泉信三さんの言葉です。
巻末の解説にもある通り、
「坊ちゃん」は正義の書、
「草枕」は美学の書、
というのが両作品の特徴です。
「草枕」は、難解で読みにくいわりに、
どことなくリズミカルさを感じるのは、
文章の基本が「五・七」か「七・五」調のせいでした。
日本人は、この数の言葉に安堵感があります。
【2020年6月27日 再読了】