昔々読み終えた本を再度引っ張り出し、
敬意を表して再読後に処分して行くシリーズは4冊目です。
第一刷発行は昭和32年(1957)7月25日。
これは昭和47年(1972)3月10日発行の第16刷です。
裏表紙の日付は「1973年2月1日(木)」、つまり47年前。
読み終えた日だと思っていましたが、
前回の「河童」も同じ日付が記されていましたので、
もしかすると買った日かも知れません。
「玄鶴山房」「歯車」「或る阿呆の一生」の三篇が納められており、
いずれも「昭和2年」、つまり芥川が自ら命を絶った年に発表されたもの。
どの作品にも、どこか狂気を感じる部分や、絶命に至るのでは?と
暗示するようなフレーズが出て来て、
まさに彼の遺書を開封するような気分でした。
これで4冊目になる、かれこれ50年ぶりの芥川作品。
彼が如何に多様な形式にチャレンジして行ったかを
改めてしみじみと知ることができました。
【2020年5月19日 再読了】