1865年にハインリッヒ・シュリーマンが
当時の中国(清国)と日本を旅したときの記録です。
シュリーマンは、木馬で有名な「トロイアの遺跡」を
私財を投じて発掘した方でもあります。
第1章 万里の長城
第2章 北京から上海へ
第3章 上海
第4章 江戸上陸
第5章 八王子
第6章 江戸
第7章 日本文明論
第8章 太平洋
印象的なのは、文中に出て来る日本の姿で、
幕末の日本人がどんな暮らしをしていたのかが
手に取るように分かります。
「日本人が世界でいちばん清潔な国民であることは
異論の余地がない」という彼の評価は、直前に行った
中国との比較で書かれており、逆に言えば如何に
中国の事情が酷かったか、ということにもなります。
江戸に入ってからも将軍・大名から一般庶民に至るまで
細かく観察した記録が残っており、約250万人と想像した
江戸の街の人口内訳まで書かれていました。
約150年前の日本人たちのDNAが
今も脈々と受け継がれてはいますが、一部変質した部分もあり
考えさせられる記録でした。
【2020年3月24日 読了】