サブタイトルは『中欧「いにしえの大国」の千年』とあり、
それがオーストリアの姿を如実に表現しています。
ドイツ、スイス、イタリア、スロヴェニア、ハンガリー、スロヴァキア、チェコという
7つの国と国境を接し、9つの州に分かれた連邦国家オーストリア。
第1章 ニーダーエスタライヒ
第2章 ブルゲンラント
第3章 シャタイアーマルク
第4章 オーバーエスタライヒ
第5章 ケルンテン
第6章 ザルツブルク
第7章 ティロル
第8章 フォアアールベルク
第9章 ウィーン
とそれぞれの州の歴史を丁寧に拾い上げて行きながら
オーストリア全体の姿を浮き彫りにしています。
源流はローマ帝国の前線基地として発展した国。
その後は神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家、
オスマントルコの侵攻、第一次世界大戦の敗北と帝国解体、
ナチスドイツによる併合、連合国軍による分割統治など
激動に満ちた歴史がよく分かります。
何となく音楽と芸術とアルペンスキーの国のイメージですが、
実際は重く深い歴史があったことを改めて知りました。
ウィーンを訪ねたのはもう11年前になります。
またいつか行けることを楽しみにしています。
【2020年3月23日 読了】