
<9月14日>
秋田県北秋田郡上小阿仁村で開催されていた
アートイベント 「 かみこあにプロジェクト 2018 」 めぐり。
八木沢会場の集落エリアを独り歩きながら順に作品を観て行きました。
「 風花 」 のずっと向こうに次の作品を示す矢印が見えます。

かつては田んぼだったであろう左側の畦道に並ぶのは、
稲を干すための 「 はさがけ 」。

矢印の前を通り、土と草を踏みしめて行くと、次の作品が見えて来ます。

長門あゆみさんの作品 「 推進力 ( 萩形集落から )」。

キャプションによれば、
【 旧萩形集落とダムについて調査を進めてきました。】

【( 社会の変動、環境など何らかの問題があり )
やむをえず遺すことができなかった 「 故郷 」 の存在について、
この村の一本の杉木を彫ることを通じて、
私なりに向き合っていきたいと思います。】

杉の古木をくり抜いて彫り造られた一艘の舟が、
ポツンと 「 そこにありました 」。
前の日まで降っていた雨が中に溜まっており、
かつてダムの底に沈んだ集落の方々の様々な想いや記憶が
溜まっているようにも見えました。

地元紙の紹介記事の見出しは
「 ダムの底の古里思う 」 となっています。
作者の表現は 「 故郷 」、記事の表現は 「 古里 」。
それぞれが意識的にこの字を使ったかどうかは分かりませんが、
かつての 「 故郷 」 が 「 古里 」になってしまったという
無念さや秘めた想いが溜まっているのかも知れません。

小さな鳥居が並ぶ庚申塚の前を通って、次の作品へ向かいました。