
自分の周りでも、
ここ数年で子供の数が随分減ったという実感があります。
とくに町内会や学校の話題になったとき。
「 少子 」 という言葉は、
1992年の 「 平成四年版 国民生活白書 」 に
「 少子社会の到来、その影響と対応 」 という
サブタイトルが付けられたあたりからのようです。
以来四半世紀。
この白書の内容が真剣に受け取られ、
その頃から何らかの対策を講じて来れば、
今のような深刻な状況までには至らなかった・・・かも知れません。
「 なぜ 」 少子化が進行しているのかについて、
様々な議論がありますが、
著者が主因として挙げているのは二つ。すなわち、
「 若年男性の収入の不安定化 」 と
「 パラサイト・シングル現象 」 の合わせ技という認識です。
第1章 日本の少子化はいま
第2章 家族の理想と現実
第3章 少子化の原因を探るにあたって
第4章 生活期待と収入の見通し
第5章 少子化はなぜ始まったのか
第6章 少子化はなぜ深刻化したのか
第7章 恋愛結婚の消長
第8章 少子化対策は可能か
結論から言えば、ここまで進んでしまってから反転させるのは
相当至難の業であるということ。
とかく意識の問題とか社会現象の問題とか言われる原因ですが、
個々人の暮らし方や考え方とその時々の経済状況の両面から
「 なぜ 」 を説明しているので、とても分かりやすい内容でした。
この少子化対策の問題を、
最後に第二次大戦の戦略の失敗と重ねあわせてみた点は、
興味深く読ませてもらいました。
【 2018年8月23日 読了 】