
先日読み終えたのが、国谷裕子著 「 キャスターという仕事 」 でした。
NHKの 「 クローズアップ現代 」 でお馴染みでしたが、何となく突然降板したような印象が残っています。
テレビ報道の危うさには三つあって、
① 「 事実の豊かさを、そぎ落してしまう 」 危うさ
② 「 視聴者に感情の共有化、一体化を促してしまう 」 危うさ
③ 「 視聴者の情緒や人々の風向きに、テレビの側が寄り添ってしまう 」 危うさ
そんな危うさから逃れるためにも、彼女は 「 世の関心事に真正面から向き合う 」 ことを心がけて来たと言い
ます。23年に渡るテレビ番組で、世界のキーマンたちに直接取材をし、そのときときの旬の関心事を自分の
言葉で紹介し続けてきたスタンスや想いが、極めて淡々と論理的に伝わって来ました。
【 わかりにくいことを、わかりやすくするのではなく、わかりやすと思われていることの背景に潜むわかり
にくさを描くことの先に知は芽生える。】 というひと言に尽きるのかも知れません。
骨太で論理的で説得力のある内容でした。
【 2017年11月24日 読了 】