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 2016年7月7日、七夕の日に永六輔さんは天に旅立ちました。

 ユーモアを忘れずに、歯に衣着せぬ舌鋒の鋭さを最期まで貫いた方でした。

 そんな永さんと交流のあった 「 有名人 」 について、盟友の矢崎さんが 「 永さんの語り口調 」 で綴った本

です。

 渥美清、淀川長治、岸田今日子、三木鶏郎、三木のり平、丹下キヨ子、黛敏郎、三國連太郎、中村八大、

いずみたく、坂本九、石井好子、淡谷のり子、三波春夫、美空ひばり、小沢昭一、野坂昭如、やなせたかし、

住井すゑ、宮本常一、筑紫哲也、水上勉、井上ひさし、の23人。

 それぞれのエピソードが、その人たちの個性を際立たせており、永さんの関わり方がまた永さんらしい。

 楽しく、懐かしく、また新しい側面を見るような思いで読み終えました。

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 想い起こせば4年半ほど前の、2013年5月12日、私たち夫婦は山形県のシベールアリーナで永さんの

講演会を聞いていました。お相手は、お馴染みの遠藤泰子さん。

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 会場に入ってみたら、ステージ上に椅子とテーブルがポツンと置いてあって、その後方にも観客席が設け

られていました。せっかくですので、ステージ観覧席の一番端に座りました。

 そこへ、車椅子に乗って開演前に現れたのが永さん。よく、こういうことをする人でした。

 「 わざわざ開演前に来てくれている人たちに、少しでもお得感を味わってもらう!」 というコンセプトです。

 私のすぐ脇を通って搭乗しようとした瞬間、「 握手してもいいですか?」 というお願いに、スッ!と手を出して

応えてくれた永さん。

 本を読みながら、あのときの永さんの 「 意外なほど小さくて、柔らかくて、温かい 」 永さんの掌の感触を

想い出しました。

                                                   【 2017年10月4日 読了 】