
3日前に読み終えたのが、加藤陽子著 『 それでも、日本人は 「 戦争 」 を選んだ 』(新潮文庫)でした。
日清、日露、第一次、第二次という四つの対外戦争を戦った明治以降の日本。昔学校で習ったときは、
どちらかと言うと教科書に書かれた史実を追うのと、試験のために年号と出来事を丸暗記することに集中して
いたような気がします。
歴史の授業全体を見ても、世界史であれ日本史であれ、4月に古代から始まり、3月に現代で終わるにしても
現代史は大抵駆け足になっていたような印象があります。
序章で 「 日本近現代史を考える 」 と題して 「9.11テロ 」 事件から、話しが始まります。歴史とは何か、
戦争とは何か、戦争はなぜ起きたのか、そして日本人はなぜそれを選んだのか・・・。
第1章 日清戦争、第2章 日露戦争、第3章 第一次世界大戦、第4章 満州事変と日中戦争、第5章 太平洋
戦争。明治以降のこの流れは、バラバラに起きたように思っていましたが、実はそこには、そこに至る底流として
様々な要素が一貫して流れていたことを初めて知りました。
指導者、軍人、官僚、知識人、一般人、それぞれが国を思っていたことは確かですが、最終的に 「 参戦やむ
なし 」 という論理に帰結して行った理由。
中高生相手に、ときにジョークのような話も交えながら、膨大な資料に基づいて加藤先生が解説して行きます。
ぐじゃぐじゃに絡み合った糸を、少しずつほどいて行くようなワクワク感と、歴史の面白さを再認識させてくれる
内容で、ボリュームはありますが久々に充実感を味わうことができました。
【 2017年9月7日 読了 】