
村上春樹さんの最近のイメージは、「 毎年ノーベル文学賞候補に上る人 」 みたいになっています。
ただ、芥川賞を獲っていなくて、日本を代表する作家の一人になっている村上さんにとって、ノーベル文学賞は
大した意味は持っていない・・・ということが、この本を読むと理解できます。
騒いでいるのは周りだけで、本人はいたって冷めたもの。
それより、小説家が小説にどう向き合って来たか、どんな思いを持って物語やエッセイを紡いできたかが、
自伝的に書かれてあって、興味深く読み終えました。
全12回に渡る連続講演会を聞いているような感覚で、この方の人生観、小説観、作家観、文学観に触れた
ようなもので、平易で分かりやすく、スルスルと沁みて来る内容でした。
【 2017年6月9日 読了 】